秋子は上を見上げていた。それは舞台の上。本当は立ち上がりたかった。立ってもっと近くでその歌をウタウ人を見たかった。
オペラ劇を観に来ていた。スジや内容なんて秋子には解らなかったけれど、ただ一人、秋子の目を釘付けにする男性が舞台の上に立っていた。それで秋子の体は目一杯になった。
恋なんて言葉にも満たない、ただひたすらに強い憧憬。
「お嬢さん、いらっしゃい」
秋子は吸い寄せられるように舞台上へ。
彼とともに歌う。アンサンブル。
彼の声は秋子の為に秋子の声は、彼の為に。
そしてすべては、全ての観客の為のもの。
それは愛だった
普遍に、普通にあるもの。
だけどそれは芸術にさえ成った。
二人の愛を、見、聞くもの全てが同調し、賞賛した。
しばらくの間、秋子は彼との重唱を奏でること心から楽しんだ。
それは確かに愛を含んでいたから。
けれど、それは見世物だった。
愛は儚い。
もろかった。
初恋なら尚更。
そう、秋子は今日、初恋をしたのだ。
皆の見つめる中、勇気を振り絞って告白したのだ。
そして一時交わした愛の唄は、その想いが片方の矢印しか届いていないことを秋子に教えた。
確かにそれは愛を含んでいたのに 周りにはそう見えたのに
何故?
初めての失恋。
悲しくない。失うものもない。けど少しの涙。
むなしいかな? 少し空気が冷たくなって。寂しいかな?
秋子は歩く向きを変えた。
それから幕が閉じ
劇場からの帰り道、秋子は言う。
「お母さん、あの人ね、すごくかっこよくて、すごく良かったけど、嫌い!」
「そう、どうしてそう思うの?」
「どうしても!」
それから秋子はツンとして家に着くまで一言も話さなかった。
秋子は帰ってから夕飯を食べ、お風呂に今日は一人で入った。
そうして、お風呂の中で”アリア”を歌った。
つまり独唱。
…如何でしたか?
久々の800字作文。
僕としては今までと少し書いてる時の感じが変わったかな。という気がしています。
そのほか、文章塾生の皆さんの講評やそれに対する僕の返答はこちらから。
では。
オペラ劇を観に来ていた。スジや内容なんて秋子には解らなかったけれど、ただ一人、秋子の目を釘付けにする男性が舞台の上に立っていた。それで秋子の体は目一杯になった。
恋なんて言葉にも満たない、ただひたすらに強い憧憬。
「お嬢さん、いらっしゃい」
秋子は吸い寄せられるように舞台上へ。
彼とともに歌う。アンサンブル。
彼の声は秋子の為に秋子の声は、彼の為に。
そしてすべては、全ての観客の為のもの。
それは愛だった
普遍に、普通にあるもの。
だけどそれは芸術にさえ成った。
二人の愛を、見、聞くもの全てが同調し、賞賛した。
しばらくの間、秋子は彼との重唱を奏でること心から楽しんだ。
それは確かに愛を含んでいたから。
けれど、それは見世物だった。
愛は儚い。
もろかった。
初恋なら尚更。
そう、秋子は今日、初恋をしたのだ。
皆の見つめる中、勇気を振り絞って告白したのだ。
そして一時交わした愛の唄は、その想いが片方の矢印しか届いていないことを秋子に教えた。
確かにそれは愛を含んでいたのに 周りにはそう見えたのに
何故?
初めての失恋。
悲しくない。失うものもない。けど少しの涙。
むなしいかな? 少し空気が冷たくなって。寂しいかな?
秋子は歩く向きを変えた。
それから幕が閉じ
劇場からの帰り道、秋子は言う。
「お母さん、あの人ね、すごくかっこよくて、すごく良かったけど、嫌い!」
「そう、どうしてそう思うの?」
「どうしても!」
それから秋子はツンとして家に着くまで一言も話さなかった。
秋子は帰ってから夕飯を食べ、お風呂に今日は一人で入った。
そうして、お風呂の中で”アリア”を歌った。
つまり独唱。
…如何でしたか?
久々の800字作文。
僕としては今までと少し書いてる時の感じが変わったかな。という気がしています。
そのほか、文章塾生の皆さんの講評やそれに対する僕の返答はこちらから。
では。