おっちーの鉛筆カミカミ

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上原浩治と僕

2008年07月20日 00時44分00秒 | コラム・批評・エッセイ
 今、巨人の投手・上原浩治のドキュメンタリー番組を観終わりました。

 上原は今スランプの中にあります。そこから脱しようともがいています。
 そんな最中に、上原は世界一を競う、オリンピックの出場メンバーに選ばれました。それは皆さんもご存知の通りです。

 上原は今シーズンが始まった直後から、不調でした。
 僕がテレビで見ていても、明らかにおかしかった。去年の上原ではなかった。

 番組を見ていて、そんな上原浩治に今の僕が重なりました。
 忘れていた、熱い気持ちが蘇りました。

 僕は、大学生時代、舞台照明の「仕事」をしていました。
 その頃の僕は、自信満々でした。
 練りに練ったプランと、現場での直感的な発想、それが僕の武器でした。
 「どうだっ!」って作った照明を観客に見せて、「おぉ~」と思い通りの反応が周りから返ってくる。
 充実していたし、毎日が熱かった。

 そんな絶頂期の折、僕は突然病気にかかりました。
 今、その病気はおおよそ治りましたが、ここまで7年ちょっと掛かった。
 そして、僕はハンディキャップを背負うことにもなりました。
 照明家としては致命的な、「高所での作業ができない」というハンデ。
 バランス感覚が劣るようになってしまったのです。少しバランスの悪い格好をすると、フラフラする。うんこ座りをしただけでも、じっとしていられず、よろけてしまう。
 照明は、当たり前ですが、主に天井に吊るすものです。天井の上から作業することもありますが、高い脚立に登って、重いライトを持って設置することが多いのです。
 今も時々そういう作業をしなければならない時があります。
 そんなときはいつハシゴから落ちるんじゃないか、バランスを崩すんじゃないか、とドキドキしながらの作業になります。
 こんな調子では照明家なんてなれない。

 僕は照明の道をあきらめて、新しい、社会に通用するスキルを身に付けようと努力しました。
 それがパソコンの道でした。

 今日も「P(パソコン)検インストラクター」という資格の試験を受けに行きました。
 結果は合格。自慢じゃありませんが95点。1問間違えです。
 「見直しまでしたのにー。どこ1問間違ったんだろうー!?」というのが正直な感想です。そんなに試験自体は難しくないのです。
 そんなこんなで、普通に取れるパソコンの資格は、知っている限りでは大体取り尽くしました(もっとも、まだシステムアドミニストレイターというでっかい資格が残っているのですが…)。

「この道で食っていくか」
 そう思っていました。

 けれど今日、「アツい思い」が蘇ったのです。
 舞台照明にかける思いは、ハンパなものではなかった。
 だからまだ、心のどこかに残っている。
 今なら間に合いますか?
 まだ追い掛けてもいいのでしょうか。


 誰より本気だったものを、そんなに簡単に捨てられるでしょうか。


 もう一度、あの業界に戻ってみてもいいかな。
 やり直しはきくかな。
 本気になれる場所は、あそこしかないのではないのか?

 まだ本決まりではありません。
 ゆっくり、考えてゆくつもりです。
 もう一度、就職活動をするかもしれません。
 本気で、生きていきたいのです。
 バランスも大事です。
 出来ることと、出来ないこともあります。
 じっくり自分と向き合って、ほんとの自分を見つけて話し合ってみます。
 周りの仲間も、大事なのです。
 僕が照明の道を選ばなかったことで、少し戸惑った方々もいらしたようです。伝わってきました。
 いちばんいい道を選びたい。
 「今のぼく」これまでが築き上げた、現在の自分に一番合った場所が、あるはずです。
 ゆっくり考えたいと思います。
 ではでは。