子供の頃を思い出すと決して裕福な時代ではなかったし周囲も似
たような境遇だったような気がする、それでも近所付き合いには
濃いものがあり、助け合う人間関係や連帯感があった。
醤油が足りない、塩が足りないと隣の家に借りに行く、冠婚葬祭
があると地域をあげて手伝ってくれ、一緒に喜び悲しんでくれた、
そういう助け合いのなかで子供同士も自然に親しくなり一緒に
遊ぶようになった。
現在はどうだろう、若い人が困ったとき、家族や近所の人たち
がどれだけ頼りになるだろうか? 昔と違い現在は職場だって
正社員、非正規社員と分けられ仲間意識が薄いような気がする。
物質的には現在のほうが、はるかに恵まれてるが昔のほうが人
間関係が豊かであり助け合いの精神があり、今より多くの人が
救われていたと言える、ただそういう昔の人間関係が煩わしい
と思う人たちの気持ちも理解できないことはないだけに、どち
らがいいとは言い切れないことも確かである。