あの人は男らしい、あの人は女らしいと会話のなかで使われる言
葉であるが、実際どういう判断でいうのかというと見た目かもし
れない、野性的な人を男らしい、上品でおしとやかな人を女らし
い、いずれも見た目である。
男は能動的、女は受動的、男は論理的、女は感情的と一般的にい
われているが、男らしさ女らしさの定義やイメージはあいまいで
あてにならないものである。
例えば男らしいというと凛々しい、さっそうとしている、いさぎ
よいといっても現実には女々しい男もいる、女らしいというとや
さしくて思いやりがあるといっても正直これもあてにならない。
要は男だろうが女だろうが一人の人間としてどうなのかというこ
とだろう、見た目でなく内面的な問題、たとえば人に対する心づ
かいや相手が寂しいか悲しいのか他人の心を想像することができ
るか、本当の優しこそ生きるうえで本当の強さに通じるものがあ
ると私は思っている、そう考えると男らしさ女らしさというより
人間らしさという見方こそ適切かもしれない。