「人にあまり親切にするのも考えもの、たった一度要求を断っ
たなら、たちまちそれまで受けた数えきれない恩を忘れてしま
うものだ、また人にものを頼んだり人の世話になったりする機
会はできるだけ少なくしておきなさい、お返しを要求しない超
然とした人など、ほとんどお目にかかれません、遅かれ早かれ
大きな見返りを要求されます」
さらに「個人的なもめごとに人を巻き込んではいけません、誰
かと敵対関係にある時、知り合いに自分の味方をして欲しいと
頼むのはよしましょう、絶えず人の立場になって想像力を働か
せもし自分がこんな要求をされたらこんな扱いを受けたら、こ
んな面倒を押し付けられたらということを考えましょう、もめ
ごとは自分で解決するべきです」
これはアドルフ・F.V.ク二ッゲの「人間交際術」の一文である、
ずっと助けてきたのに一度断っただけで極端な話、態度を豹変
する、人間というのは世話になったことはすぐに忘れるが、世
話したことや何かを断られたら一生覚えてる、そういう意味で
は人間は身勝手な一面を持ってるといえるのかもしれない、そ
していい人願望を捨てないとなかなか断ることも難しいし、だ
から人間関係は適度な距離感が必要、人間交際術のポイントと
いえることである。