作家のよしもとばななさんの中学生向けのエッセイ「齢をとるの
はいいこと?」を読んでみると、大人が読んでも、なるほどと思
わせる内容の一冊である。
「齢をとると自分のことが自分でよくわかるようになるからどん
どん楽になっていく、行きたくないレストランも飲みたくない飲
み物も、もっといえば会いたくない人もわかってくる、そうする
と自分で自分の人生を創造することができるようになる」
「逆に子供はちっとも自由でない、親と学校の枠のなかで考えな
くちゃいけないし経済的にも自由でない、暮らし方も選べばない
し、今ならあの時代に戻れといわれたら冗談じゃない」
よしもとばななさんはこのように言ってるけど、果たしてみんな
そうだろうか?大人になると組織のなかで窮屈さを感じながらも
生活のため生きて行かなければならない、仕事をしてれば会いた
くない人とも会わなければならない時もある、その代わり働くこ
との代償として報酬を受け取り自由に使えるお金もある。
そして齢を重ねるとお金、健康、仕事、人間関係等悩みは多岐に
わたる、社会に対応する処世術は身につくものの、人間が熟成さ
れたかというと自信がないものである。
子供のころは親に支配されながらも守られている、反面早く自立
したいという気持ちも芽生えるてくるものである、齢をとるのは
いいこと?というと、人によって違うかと思う、置かれた状況で
違って当たり前かもしれない、しかし私たちは1分1秒たりとも
過去に戻ることはできない、そう考えると今を精一杯生きるしか
ない。