TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

旅立ち

2011-01-20 16:53:19 | インポート
ちょうど一週間前だったという。

長い病の末、彼女は旅立っていった。
寝たきりの彼女のために、いつも夏は芝刈り、冬は雪かきにと駆けつけては
助けてくれていた彼女のお兄さんが、今日話してくれた。彼は今日も、家の
中の整理に訪れていた。

ほとんど外に出られなかった彼女だが、一度庭先で転んでしまったのを私は
台所の窓から目撃し、大急ぎでサンダルをつっかけ外に出た。ずっと寝たきり
なので、歩くのにもバランスがうまくとれず、つんのめってしまったらしい。

ポーチのベンチまでゆっくり一緒に歩き、「何か困ったことがあったら言ってね」
と言うと、私の手をしっかり握って「ありがとう」と言った。病気のために
むくんだ手が痛々しかったが、眼鏡の奥の目がやさしかった。

さようなら。やすらかに。


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患者よ、がんと闘うな

2011-01-18 14:35:23 | インポート
これも日本から届いた本。

注文したのは二ヶ月前なのだが、脳腫瘍の疑いありとなった今では(笑)
まるで予定したかのようなタイミングの良さである。十年位前に日本で話題
になった本だそうだが、私は海外在なので全く知らなかった。内容は、日頃
私が思っていることとほぼ同じである。

すごい勇気のある人!こんな本当のことを公にしたら、医者仲間から暗殺
されないんだろうか?患者がこれを読んで賢くなっちゃったら、病院や薬屋
ビジネスは儲からなくなってしまう。

ガンは治らない病気であるが、しかし、一生つきあっていける病気でもある。
中には非常にアグレッシブで短期間に進行して死に至るガンもあるので、
「ガン=死」という認識ができたのだろう。しかし、実際に周囲を見渡すと
ガンと診断されてたのにずっと生きている人が結構いるのだ。

「今年が最後のクリスマスになるかも」と、家族で悲嘆にくれてたのに、その後
何年も無事に通過し「最後かもしれないクリスマス・パーティー」が毎年恒例
になってしまった家族など。不謹慎ながら、「本当に死ぬんだろうか?」と
思ってしまうのは私だけではあるまい。

そういう例を見れば、ガンは「一病息災」と言えなくもない。ま、こういう
ガンは筆者の言う「がんもどき」なのかもしれないが。そういうガン患者の
周囲で、今までピンピンしてた人々が心筋梗塞や不慮の事故で亡くなるの
だから、ガンが怖いのかどっちが怖いのか?

その一方、「早期発見・早期治療が大事!」とばかりにあれこれ治療し、
いじり過ぎたあげくに亡くなってしまう人も多い。何もせず様子を見ていたら
今でも元気だったかもしれないのに。これも、筆者が指摘している。

ところで日本では未だに「ガン=死刑宣告=怖い」の脅しが効いているかも
しれないが、北米では様子が変わってきていると思う。だってガンは
放っておいても平気なことがわかってきたからだ。新たな脅しとして
浮上してきたのが、特にアメリカでは国民病と言われる「肥満」。全ての
病気の元とされる。

ガン人口より肥満人口の方が(おそらく)大きいし、ビジネスの標的として
これほど美味しい市場もない。ガンと違って肥満は「見ればわかる」という
簡単さも、とっつきやすい。

ただガンと違って肥満は、周囲の同情を得にくいという欠点が。
それさえクリアすれば、医療ビジネスは肥満の脅しで食っていける。


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49 states

2011-01-16 15:53:03 | インポート
今週はアメリカ50州のうち、49州で雪が降ったそうな。

さて、降らなかった州は?
「ハワイ!」と答えそうなものだが、実はフロリダ。やっぱね。
ハワイは山の上に7インチの雪だそうだ。常夏だから雪なんて、と思うけど
山があるところは意外に雪を見るんだよね。

カリフォルニアがやはりそのクチである。
Beach Boysのイメージがあるから雪なんて関係ないだろう、と思ってる人が
ほとんどだと思う。しかし、カリフォルニア州の北の端を見ると、山が多くて
気候がかなり違う。アメリカ時代にカリフォルニアに行った時、サクラメント
からず?っと北のほうへあがってったらスキーのリゾートがいっぱいあって
驚いた。カリフォルニアでスキー、なんてみな考えないから、結構あのあたり
は穴場なのかもしれない。

そしてもちろん、この北のツンドラ、カナダの私が住むあたりも、今日は
一日中雪が降る、降る、降る。喜んで走り回ってるのはTABIだけ。
こんな日は一日家にこもっていたいけど、やっぱ犬がいるから公園に散歩に
行っていい運動。犬って、ありがたいね。


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しるし

2011-01-13 14:58:21 | インポート
今朝も、夫婦と犬とで森散歩。

晴れてはいるものの、夜半に積もった雪が凍って足元が滑りやすい。
ブーツに滑り止めのトラクションをとりつけ、準備万端整えてから出発。
小一時間も歩くとうっすら汗がにじんでくる。

ああいい運動だった、と車へ戻る。
さてトラクションを取り外そう、と見ると、左足につけたはずのが付いていない!
周囲を見回したが、ない。丈夫なゴム製のひっかけでブーツに取り付ける
ようになっているので、簡単に取れるとは思えない。

車を降り、夫とそのへんを探したが、ない。そこで、また森に戻ってもと来た
道をたどってみることに。

「取れた時点で滑りやすくなるはずだから、なくしたのは出口付近だと思う」
と私は主張し、出口あたりを念入りに探した。が、ない。結局、ず?っと
森の中を探しながら歩き、入り口まで出てしまった。だが、見つからない。
白い雪の中、黒いゴム製のトラクション、それも大人サイズの靴底型だから
落ちていればすぐ目につくはず。一体どこで、どうやってなくしたのか?
誰か拾ったにしても、片方だけじゃ役に立たないし、持って帰る人もいるまい。

お腹もペコペコだし喉もカラカラなので、仕方なく家路へ。
不思議なこともあるものだ。なにかの「しるし」であろうか。


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水のふしぎ

2011-01-13 14:43:40 | インポート
昔から、滝のある場所には精霊が宿るという。

科学的には、滝のそばにはマイナスイオンが満ちており気分をリフレッシュ
する効果があるとか。シャワーを浴びるとサッパリするのは、体の汚れが
とれて清潔になるだけでなく、シャワーは人工の滝とも言えるマイナスイオン
発生装置でもあるからだ。

三日間の競技会の疲れを癒すため、午前中はゆっくりと過ごす。
ホテルの部屋でブランチを作り、みなでのんびり食べたあと、ランドリーで
洗濯。それから買い物に行き、暗くなり始めてからナイアガラの滝へ。

ナイアガラは以前にも何度か行ったが、いつも昼間、それも夏だった。
冬は今回が初めてだし、夜はライトアップされて綺麗と聞いた。

観光シーズンではないので、滝までの道路も空いている。
駐車場には「料金十ドル」のサインがあったが、誰も料金を徴収してないし
ガラガラ。とりあえず車を停め、公園へ犬を連れて歩く。滝の近くにくると
ごうごうという音が聞こえる。しぶきが霧のようになって地面に降っており、
フェンスについた水が凍ってつららになっている。

観光客が二組、寒さに震えながらカメラをかまえている。
ライトアップされた滝は、幻想的でとても綺麗。私達も、犬を入れて写真を
撮る。だけどカナダ側のほうがまるでラスベガスみたいにピカピカで、アメリカ
側は閑散として全く商売になってないかんじ。アメリカ側は、滝も小さいのだ。

だ?れもいないので、本来は犬はリードでつながないといけないサインがある
のだが、はずしてTABIを自由にする。フェンスのそばでは水がごうごう音を
あげて流れているが、この子は危険な場所には近づかないから大丈夫。
暗い公園をしばらく黙ってみなで水際を歩くと、なんだかこのままこの世と
あの世の境を越えて未知の世界に入ってしまうような、ふしぎな気分になる。

こんなふうにして、ひとは導かれて滝に身を投じてしまうのだろうか?

「真っ暗にならないうちに、帰ろう」
夫の言葉に我にかえり、もと来た道を駐車場まで歩く。


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