「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

そして又、ボスと共に

2011-01-24 23:15:14 | ファミ劇日誌
『♯718(最終回) そして又、ボスと共に』
主演:石原裕次郎(藤堂俊介)又野誠治(澤村誠)渡哲也(橘兵庫)
出演:神田正輝(西條昭)地井武男(井川利三)長谷直美(岩城令子)西山浩司(太宰準)石原良純(水木悠)渡瀬ゆき(澤村泉)
遠藤憲一(津坂久)桂田裕子(一之瀬僚子)杉欣也(恩田三郎)時本和也(一ノ瀬浩二)今西正男(西署刑事)めだちけん一 中西敦子 青柳有希子 岸井あや子 上野綾子(恩田アパート近所の主婦)桑原一人(ビリヤードのプロ)村上幹夫(医師)今井登 田中なおみ

プロデューサー:岡田晋吉 服部比佐夫(日本テレビ) 梅浦洋一 新野悟(東宝)
脚本:峯尾基三
撮影:安本英 美術:小汲明 照明:松田清孝 録音:富田実
音楽:大野克夫 演奏・大野克夫バンド 井上堯之バンド 編集:神島帰美 整音:坂田通俊 選曲:小林和夫
助監督:大久保直実 擬斗:宇仁貫三 現像:IMAGICA 番組宣伝:山口晋 記録:土居久子 制作主任:原雄次郎
協力:国際放映 原案:小川英 企画協力:ジャックプロダクション 衣装協力:株式会社センチュリー Best House 
監督:鈴木一平
制作:東宝株式会社

覆面車:クラウン(62-40)ソアラ(65-62)スープラ(86-02)


本音を書こうと思います・・・

最終回です。

結果的ですがボスの最後の雄姿です。

ただ、少なくとも本作放送前はその最後の雄姿というのを全く受け入れていませんでした。

そりゃ、簡単に諦めろっていうのが無理ですって。

「ボス降板」から5カ月。
その間に渡さんの助っ人やDJの登場、正式な最終回の告知とPART2の制作発表。
まあ、それこそ数年間分のボリュームの変化が訪れ、正直何が何だか解らん状態でしたが、
1981年の裕次郎さんの復帰と同じように又ボスと共に・・・というのがゆくゆくは実現すると思っていました。

この最終回の収録は直前にワイドショー等で報道されており、フィルムではなくVTRでの裕次郎さん=ボスを、作品を観る前に目撃することになりますが・・・。

顔色の悪さが際立って見えて、少なくとも、#699以前の裕次郎さん=ボスではなかった・・・。
これは正直ショックでした。
ファンであれば週に1回、裕次郎さん=ボスの姿をずっと見てきたわけで、特にフェチ的観方をしていなくとも、何となく状態は解る感じはありました。
ただ、俳優さんもなるべく体調を整えて撮影に挑む訳ですから、それほど気にならないところではありますが、あの裕次郎さんのお姿を見た時、なにか胸騒ぎをおぼえたものです。

それが確定的になったのは本編でした。
ボスチェアに座っているボスを観て、無論ゾクゾクしました。(さっきの胸騒ぎとは別な期待感です。)
ただ、その後の回想シーンのボスの顔。
そしてあの7分間の取調べシーン。
足取りとか、声の張り、さらに頬杖。
相当辛そうな感じがしました・・・。

そして驚いたのが、その7分間のアドリブ。
本来裕次郎さんの姿勢として藤堂は「演じている」人物でしたが、本作は完全に素の裕次郎さんが融合しています。
これは、それまでの裕次郎さんとしてはあり得ない姿勢でした。
今までも素の部分は出されていましたが、それはあくまでも藤堂という役を前提にしたものでしたが、本作は裕次郎さんの方が勝っています。
まず、セリフよりそこの部分で固まりました・・・。
別に悪い意味では無く、何と言うか今までの裕次郎さん=ボスとは違う何か・・・何と言ったら良いんでしょうか、緊張感とは違う、心底何かを伝えたいという念みたいなもの。
それにあの裕次郎さんのアドリブが被る。
大動脈瘤の話、スコッチの話・・・。
あのシーンを、ずっと瞬きもせず、人にはお見せ出来ないほど号泣して観ていた記憶があります。

私も数々ドラマを観てきましたが、あんな経験初めてでした・・・複雑な思いと号泣と。
未だにあの経験を凌駕する作品にお目にかかったことがありません。

と同時に、半ばボスの復活は諦めました・・・。
正直、痛々しかったです。

これに関しては、裕次郎さんも重々解っていたと思います。
それでも、重い身体に鞭打って、太陽にケリを付けた裕次郎さんに本当に感謝しなければならないと、その時思いました。

あのお姿を観るまで、正直「なんで太陽を終わらすんだ!」という気持ちがあったのは事実です。

ただ、それが本編を観て一気に氷解していきました・・・・。

でも、
裕次郎さんの復帰は希望的部分としては持っていましたが・・・1987年正月のMステで元気そうなお姿だったので安心したのですが・・・。
「胸騒ぎ」が当たってしまったのは、本当に嫌でした。

そんなこんなで、何かない限り、滅多に観ないのがこの作品です。
人が死ぬ訳でもない作品ですが、裕次郎さんのそれこそ俳優人生を賭けたようなこの作品(結果的に作品としては最後の出演作になりました。)を、半端な気持ちではちょっと観られないです。

=ブルース=

本作のもう一人の主役がブルでした。

太陽が続いていたら翌年には殉職も計画されていたと云うブルですが、何とか生き残りました。
ボス曰くずば抜けた体力と精神力の持主ですから、自らの傷に塩振るような行動をとりながら何とか生き抜こうとするブル。

最終回にブルの危機を持って来たのは、その「殉職」が叶わなかったという部分と、あの当時の太陽を背負っていた部分での殊勲賞みたいなものだったと思います。
ブルースは特殊な新人刑事で、確かにジーパン二世という部分がありましたが、当初から妻帯し自立した人物像として描かれ、ゴリさんの「誠」を継承し、長さんの教え子という設定から、番組を背負った存在として最初からお膳立てされていたように思います。結果的に、太陽の一種の特徴である優等生的部分は他のメンバーに任せ、泥臭い部分やアクションを一手に担って、後期~末期を支えました。
それに、末期では一番生命に対して「敏感」になっていたと。

そのブルースの危機が最終回の主題となったのはいわば当然の流れだったように思います。

今作で興味深いのは、ブルースが既に交番勤務実習時代に射殺を経験していること、さらにその実習先が恩師である長さんが長年務めた西署であること。
この辺りでも、ブルースがただの新人では無かったことと、長さんの設定が生かされています。

=警部=

ブルの危機を淡々と指揮する警部。
指揮者として、この一大事を冷静に指揮しますが、ボス復帰後は捜査陣の一員をいう立場で動き、ブルースに真っ先に駆け寄ります。
まるで今まで貯めていたものを吐き出すようなアクティブさで。
橘と云う人は多分本庁のデスクではなく、現場で働きたかったんだろうなぁ・・・。

警部登場~本作が丁度ワンクール。
このタイミングまでの渡さんの御出演が多分リミットだったと思います。
で、そのケリの付け方は裕次郎さんの御出演しかなかったものと・・・。

PART2も当初は警部の続投が構想されていたようですが、それも叶わなかったのは残念でした。
タイミング的に、制作側としては急な最終回となったのは、様々な事情が絡んでのことだったようです。

=物語=

ブルースの射殺の過去が招いた復讐劇。
ボスが主体になったことで、相当編集に苦心した痕が見受けられます。
津坂のビリヤードのプロのプレーヤーだったくだりや、ブルースの手術終了後の様子などは本編ではカットされています。
編成上スペシャル枠が取れなかったものと思いますが、2時間SPでも十分拡げられる話だったと思います。

=今回の一係=

*DJがボスと初対面。緊張が伺えます。

*ドックが何気にかなり参っていた感じ・・・やっぱりブルも良き相棒(というか喧嘩相手?)

=ゲスト=

これは仕方のない事なのですが、本作はゲストを引き立てる面が殆どカットされているようです。
エンケンさんの津坂もどうして犯行に至ったかも殆ど説明されず、僚子は完全にボスに呑みこまれている。
僚子演じる桂田さんは本当にビックリしたと思いますし、誰よりも裕次郎さんの念を感じたんじゃないでしょうか。
桂田さんご自身、「17歳」ではゲスト主役、「七曲署全員出勤・狙われたコンピューター」にも御出演なので、若いながらもそれなりに経験がある女優さん。
戸惑っているのは観てとれます・・・しかし、あそこで変に芝居してもダメだったと思います。

=ロケ地=

多摩川

ポテトロード(新宿二丁目)

恩田のアパートは西新宿六丁目のよう。すっかり周りは変わっている。

横浜米軍跡地(ブル被弾)

新宿駅

新宿中央公園

ブルがケーキの洋菓子店は千歳船橋駅前に現存。


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