
牛蛙ぐわぐわ鳴くよぐわぐわ 金子兜太
武蔵の熊谷に住みついた頃は、横の小川で牛蛙が盛んに鳴いていた。高度経
済成長の半ばで、いまでは小川の左右すべてが住宅化し、いつのまにか牛蛙の
声がきけなくなってしまった。泥水を喉のあたりに溜めて、転がしたり、吐い
たりしているような鳴き声が懐しい。
「ぐわぐわ」と擬声語にちかいことを掴んで大喜び。私の俳句仲間に、この句
を囗遊びながら歩きまわる男がいる。
(金子兜太 自句自解)
小林たけし 牛蛙5句
牛蛙こんなに生きて不足さう
鍬の先四足まるめた泥蛙
葬列に従く殿に赤蛙
長命と云ふ不治を病み牛蛙
誰も知らない笑つてる蟇蛙