清明や街道の松高く立つ 桂信子
清明は24節気のひとうでこの日から立夏までを晩春という
一年の四季、そしてその四季それぞれに
初、仲、晩の三通り
そして二十四n節気
日本人の感性の奥行きははかりしれない
掲句はそんな四季のうつろいのなかに
海道を見下ろす大きな松の古木を詠ったのであろう
みあげればどこまでも青く澄んだ空に
凛然とおもむきの松が天を突いている (小林たけし)
清明】 せいめい
◇「清明節」
二十四節気の一。陰暦3月の節、春分後15日め。陽暦で4月5日ごろ。清浄明潔の略ともいわれ、東南風の吹く春のよい季節という意味。
例句 作者
白無垢を着る清明の襟化粧 田所節子
清明や後生大事に肥後の守 田中まさじ
校門へ清明の日の坂長し 皆川白陀
清明やひねもす夜具を日にさらし 小澤登代
清明の雨に光れる瑠璃瓦 古賀まり子
清明の無傷の空を眩しめり 二村秀水
清明や仏をまつる山見ゆる 石原君代
清明や余生余命の計られず 早川翠楓
清明や内親王の夢弾み 髙山典子
清明や草に投げ出す旅鞄 三木基史
藁しべに吸はれ清明節の雨 恩田侑布子