竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

青あらし神童のその後は知らず 大串章

2020-06-03 | 今日の季語


青あらし神童のその後は知らず 大串章

取り合わせのお手本の句のようだ
「神童のその後は知らず」の措辞を納得させる
作者の幼友達、好敵手、ライバルか
あるいは神童と呼ばれて作者自身の述懐かもしれない
おりからの夏の強い南風
あの少年時代に想いを馳せる作者がいる
(小林たけし)



【青嵐】 あおあらし(アヲ・・)
◇「風青し」 ◇「青嵐」(せいらん)
初夏の青葉のころに吹きわたる爽やかなやや強い風のこと。「夏嵐」とも。概ね南寄りの風である。「せいらん」とも読むが「晴嵐」と紛らわしいので「あおあらし」と読まれることが多い。同じ南の風でも「南風」(みなみ・はえ)の方が生活に密着した語であると言える。

例句 作者

青夜風男の思いしなやかに 中村孝史
青嵐いまぞ阿修羅の六臂欲し 澁谷道
青嵐夫の小言聞き流す 志村あい子
青嵐子等の自転車駈け抜けし 中村行男
青嵐嵯峨野の広く透きとほる 桜井誠司
青嵐愛して鍋を歪ませる 辻桃子
青嵐昆布の森に艦の影 船矢深雪
青嵐海に出でては平らかに 加藤光樹
青嵐青嵐われ遠くなる 小檜山繁子
青嵐青年の熱世を正す 西田由竹
青空に明るいアレグロ青嵐 石丸ただし
鶴の毛は鳴るか鳴らぬか青あらし 加藤楸邨