青あらし神童のその後は知らず 大串章
取り合わせのお手本の句のようだ
「神童のその後は知らず」の措辞を納得させる
作者の幼友達、好敵手、ライバルか
あるいは神童と呼ばれて作者自身の述懐かもしれない
おりからの夏の強い南風
あの少年時代に想いを馳せる作者がいる
(小林たけし)
【青嵐】 あおあらし(アヲ・・)
◇「風青し」 ◇「青嵐」(せいらん)
初夏の青葉のころに吹きわたる爽やかなやや強い風のこと。「夏嵐」とも。概ね南寄りの風である。「せいらん」とも読むが「晴嵐」と紛らわしいので「あおあらし」と読まれることが多い。同じ南の風でも「南風」(みなみ・はえ)の方が生活に密着した語であると言える。
例句 作者
青夜風男の思いしなやかに 中村孝史
青嵐いまぞ阿修羅の六臂欲し 澁谷道
青嵐夫の小言聞き流す 志村あい子
青嵐子等の自転車駈け抜けし 中村行男
青嵐嵯峨野の広く透きとほる 桜井誠司
青嵐愛して鍋を歪ませる 辻桃子
青嵐昆布の森に艦の影 船矢深雪
青嵐海に出でては平らかに 加藤光樹
青嵐青嵐われ遠くなる 小檜山繁子
青嵐青年の熱世を正す 西田由竹
青空に明るいアレグロ青嵐 石丸ただし
鶴の毛は鳴るか鳴らぬか青あらし 加藤楸邨
青夜風男の思いしなやかに 中村孝史
青嵐いまぞ阿修羅の六臂欲し 澁谷道
青嵐夫の小言聞き流す 志村あい子
青嵐子等の自転車駈け抜けし 中村行男
青嵐嵯峨野の広く透きとほる 桜井誠司
青嵐愛して鍋を歪ませる 辻桃子
青嵐昆布の森に艦の影 船矢深雪
青嵐海に出でては平らかに 加藤光樹
青嵐青嵐われ遠くなる 小檜山繁子
青嵐青年の熱世を正す 西田由竹
青空に明るいアレグロ青嵐 石丸ただし
鶴の毛は鳴るか鳴らぬか青あらし 加藤楸邨