らりるれろ言つてごらんよ羽抜鳥 三軒鼻恭
古希を越えたあたりから「羽抜鳥」の季語は
にわかに自分自身だとの認識が強まっている
掲句の「らりるれろ」は怪しい呂律を揶揄しているのだと
思われてくる
作者は羽抜鳥に言っているようだが
実は自分自身を揶揄しているのだろう
(小林たけし)
【羽抜鳥】 はぬけどり
◇「羽抜鶏」(はぬけどり) ◇「羽抜鴨」(はぬけがも) ◇「鳥の換羽」(とりのかえば)
鳥類は繁殖期の終わった夏から秋にかけて全身の羽毛が抜けかわる。羽が抜けた鳥の姿は滑稽であるが、また侘しくもみえる。こうした羽の抜けた鶏を羽抜鶏という。
例句 作者
ジーパンの穴も流行か羽抜鶏 東城保子
丸呑を見事果せし羽抜鳥 亀田蒼石
国歌斉唱はみだして鳴く羽抜鶏 幸喜美恵子
子の足にもう追ひつけぬ羽抜鳥 矢野雄三
宇宙探索人棲む村に羽抜鶏 石坂亜以子
寵愛のおかめいんこも羽抜鶏 富安風生
己が羽くわえて歩く羽抜鶏 穴井太
己が羽の抜けしを啣(くわ)へ羽抜鶏 高浜虚子
強がりの貎は別なり羽拔鶏 平野紀美子
気負いなき歩幅のしかと羽拔鳥 中野稔子
派出所の裏の広さや羽抜鷄 長峰竹芳
ジーパンの穴も流行か羽抜鶏 東城保子
丸呑を見事果せし羽抜鳥 亀田蒼石
国歌斉唱はみだして鳴く羽抜鶏 幸喜美恵子
子の足にもう追ひつけぬ羽抜鳥 矢野雄三
宇宙探索人棲む村に羽抜鶏 石坂亜以子
寵愛のおかめいんこも羽抜鶏 富安風生
己が羽くわえて歩く羽抜鶏 穴井太
己が羽の抜けしを啣(くわ)へ羽抜鶏 高浜虚子
強がりの貎は別なり羽拔鶏 平野紀美子
気負いなき歩幅のしかと羽拔鳥 中野稔子
派出所の裏の広さや羽抜鷄 長峰竹芳