竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

アクセス数 10413/日 を記録

2020-06-14 | 雑感


このブログも2013年8月からなので7年間続けたことになる
俳句を学んできた赤裸々な記録になっている

アクセス数は累計で1046335 訪問者累計 401883
そして昨日のアクセス数は10413
一日当たりの過去の最高は5000ぐらいだったので驚いた

毎日のように訪問していただく人もおられるようで
感謝すると同時に自分のあられもない鉄面皮がおそろしい

今後も心身の健全の維持に努め場柄励む気持ちを新たにしたところです

これからも宜しくお願いいたします

ちょっと休憩夏柳ずっと休憩 山口木浦木

2020-06-13 | 今日の季語


ちょっと休憩夏柳ずっと休憩 山口木浦木

なんといっても口語調の語り口が秀逸だ
みどり濃い長井柳の葉が目にやさしい
ちょっと休憩 その気分は柳の川土手ならでは・・・・
(小林たけし)


【葉柳】 はやなぎ
◇「夏柳」 ◇「柳茂る」
夏に葉を伸ばして水辺に揺れる柳の緑は美しく見る者に涼感を与えてくれる。《「柳」:春》

例句 作者

なめらかに台詞はじまる夏柳 奥山和子
葉柳や大原女と逢ふ橋の上 高橋淡路女
夏柳原爆ドーム年経たり 清崎敏郎
江戸城址雀こもらす夏柳 村田 脩

青春をかたちにしたる青胡桃 石井小嵐峰

2020-06-12 | 今日の季語


青春をかたちにしたる青胡桃 石井小嵐峰

一読どこかで聞いたフレーズかと思うが
それは掲句の共感がそれだけ多数派ということだと知る
俳句は先に言ったもの勝だと教わった
(小林たけし)

【青胡桃】 あおくるみ(アヲ・・)
◇「生胡桃」
実になったばかりのまだ熟していない胡桃を「青胡桃」または「生胡桃」という。葉陰に2~3個づつかたまって結実する。

例句 作者
青胡桃しなのの空のかたさかな 上田五千石
三叉路の一つは海へ青胡桃 鍵和田?子(ゆうこ)
てのひらの静かなる飢青くるみ 小高桂子
三叉路の一つは海へ青胡桃 鍵和田秞子
人を信じて組む谷ぐるみ青胡桃 原子公平
木洩れ日に見つかつてしまつた青胡桃 島崎ゆきを
海までの橋はいくつか青胡桃 近恵
海遠き日の青胡桃耳に当つ 守谷茂泰
青くるみ死者は生者の内にのみ 花谷清
青胡桃こつんとひとつ隠岐詞(ことば) 阿部完市
青胡桃一期が夢であるものか 宇多喜代子
青胡桃今日と同じ明日がいい 保坂末子

近道の青田中ゆく登校児 佐藤さき子

2020-06-10 | 今日の季語


近道の青田中ゆく登校児 佐藤さき子

掲句は我家の2階窓からの景そのものである
写真のような青田の連なり
その中の道を登校児が登校班の集合場所へ駆けてゆくのを毎朝観ている
朝の時間は子供にとっても貴重なのだ
(小林たけし)



【青田】 あおた(アヲタ)
◇「青田面」(あおたも) ◇「青田風」 ◇「青田波」 ◇「青田道」
苗を植えてまもない田を「植田」というのに対して稲が生育して一面青々とした田を「青田」という。植田が青一色になる頃は土用の日差しも強く、青田を吹き行く風(「青田風」)になびく稲は波のように揺れ(「青田波」)、見るからに爽快である。《植田:夏》

例句 作者

青嶺青田臼井吉見に生家あり 山下廣
青田十町おもいきり風運び来る 松木ヒサ子
青田原いつもどこかで波立てり 田村梛子
青田原走つて来る子手が翼 神田ひろみ
青田波イエスも釈迦も現れず 中野冬太
青田行くは素(す)の男なり振り向かず 後藤昌治
青田行く新幹線は銀の針 中嶋秀子
青田風いくさの匂いなく昏れる 久行保徳
青田風はるかにプラトニックラブ 長浜聰子
青田風健児はチンジャオロース風 小山やす子
青田風入るる晝餉の通し土間 濵本紫陽
青田風入れて仏壇荘厳す 小林堪信
青田風入れて通夜の座やはらぎぬ 吉田未灰
青田風拾ひしものは横抱きに 田中亜美
青田風水のささやき集め来て 宮脇美智子
颯々と青田どこかに父の初志 友岡子郷


水母にもなりたく人も捨てがたく 藤田湘子

2020-06-08 | 今日の季語


水母にもなりたく人も捨てがたく 藤田湘子

句意は明確でだれもが共感するのではないか
水母の動くさまを眺めていると
人の世界の喜怒哀楽も迷いや悩みを超越した容にみえてくる
ふと羨望に似た感情も湧くのだが
人の世の不可思議な日常も捨てるには惜しいのである
(小林たけし)


【海月】 くらげ
◇「水母」
種類も形も多い。傘に似た半円球形の体をもち、傘を開けたり閉じたりして泳き、寒天質の体を海中に漂わせている。触手に毒針を持つものもいて海水浴客が刺されることもある。食用になるものもある。色も無色、白色、紫紅色などいろいろ。

例句 作者

折笠美秋に見破られたる水母かな たむらちせい
水母より西へ行かむと思(も)ひしのみ 藤田湘子
水母来て泳ぐ子ども列乱す 根岸敏三
水母浮くひとつの言葉しか持たず 白石司子
淋しさに水母は海を刺しにけり 中村正幸
深海に傘をゆるめて水母死す 三谷昭
神のみが水母正しくおそれけり 赤野四羽
腰高の兄よ水母を海に飼い 池田澄子

たましいの所在は知らず蛇の衣 吉賀三徳

2020-06-07 | 今日の季語


たましいの所在は知らず蛇の衣 吉賀三徳

蛇の脱皮はなんとも神秘的だと思うのは私だけだろうか
頭から尻尾まで見事に抜け殻を遺す
脱皮のたびに転生の喜ぼを味わっているように思う
魂は一段高みに位していくのだと思う
(小林たけし)

【蛇衣を脱ぐ】 へびきぬをぬぐ
◇「蛇の衣」 ◇「蛇の殻」 ◇「蛇の脱け殻」 ◇「蛇の蛻」(へびのもぬけ)
毎年5、6月頃、蛇は脱皮して大きくなる。その抜け殻を「蛇の衣」といい、草の中や垣根や石垣などに蛇の形のままに残っていたり、樹枝に引っかかっていたりする。

例句 作者

まどろんでいただけなのに蛇の衣 河西志帆
一撃の音のかたちに蛇の衣 野田遊三
乱世の風吹いている蛇の衣 香取哲郎
地を擦りしのちのひかりや蛇の衣 永井江美子
尼寺の蛇の蛻は裏返し 東金夢明
干すやうに掛かりて枝の蛇の衣 名久井清流
松の木に阿国のごとき蛇の衣 岡田美佐枝
枝に蛇のぬけ殻郵政刺客の落下傘 日下部正治
汲みたての水の匂ひや蛇の衣 照井翠
猫被り脱いで脱いでと蛇の衣 大上博子




ジーンズに腰骨入るる薄暑かな 恩田侑布子

2020-06-06 | 今日の季語


ジーンズに腰骨入るる薄暑かな 恩田侑布子

軽装での外出の季節である
まだ暑さもここち良いほどで
かすかに汗ばむのも悪くない
洗いざらしのジーンズに脚を伸ばし腰骨を収める
素足に感じるこの感触がたまらない
臀部を収め腰骨が収まったところでのなんという安堵感
ちょっとした嬉しみに共感を覚える
(小林たけし)



【薄暑】 はくしょ
◇「薄暑光」
初夏の頃の少し暑さを感じるくらいの気候をいう。東京辺りでは5月末ともなると気温は25℃を超え、やや汗ばむ陽気となる。

例句 作者

ドストエフスキーな人とゐて薄暑 村瀬誠道
三枚におろされている薄暑かな 橋閒石
二人来て一人去りゆく薄暑かな 山口木浦木
介護セミナー母の肩抱くかに薄暑 倉本岬
入口は即ち出口駅薄暑 近藤阿佐
包より匂う果物夕薄暑 山本美紗
単線の時刻表繰る夕薄暑 久行保徳
夕薄暑これから壺がやさしくなる 中村武男

海に月しらじら映ゆる芒種かな 夏井いつき

2020-06-05 | 今日の季語


海に月しらじら映ゆる芒種かな 夏井いつき

この頃の月は「月涼し」の季語のとおりに気持ちよく冴えている
その月の下の白波もまた静かに夜明けをまつ美しさ
その景を海とははなれている芒種という季語との取り合わせ
余人にはなかなか勇気のいる難しい句といえようか
(小林たけし)


【芒種】 ぼうしゅ(バウ・・)
二十四節気のひとつ。6月6日頃に当る。(小満の15日後)芒(のぎ)ある穀物を播く時期の意で、田植もこの頃から始まる。また入梅の頃でもある。

例句 作者

竹山の雨となりたる芒種かな 星野麥丘人
吾子の墓守り三十年芒種かな 伊東テル子
木の穴にをとこを祀る芒種かな 藤田あけ烏
芒種けふ半月にして瑞瑞し 古賀まり子
芒種かなレディースデーの映画館 髙橋悦子
豹柄のシャツなびかせて芒種の日 宮里晄
足跡の草起き上がる芒種かな 岡田一夫

卯の花腐しソプラノで歌う演歌 松浦都也

2020-06-04 | 今日の季語


卯の花腐しソプラノで歌う演歌 松浦都也

この季語はなんとも都合がよろしい
ちょっと場違いなウィットの措辞
陰鬱な梅雨の気分をサラリとする具合に使って成功するようだ
掲句もまたそんな取り合わせ
演歌ををソプラノで歌う だれも聞きたくはない
そこが作者のねらいだろう
(小林たけし)


【卯の花腐し】 うのはなくだし
◇「卯の花腐し」(うのはなくたし)
(クタシは、グタシ、クダシとも。卯の花を腐らす意) 卯の花月(陰暦4月の別名)に降り続く長雨のこと。盛りと咲く卯の花を腐らせるように、しとしとと降る雨。時期的には「花の雨」と「五月雨」の中間の霖雨。その頃の曇空を「卯月曇」や「卯の花曇」という。

例句 作者

ものぐさの句作卯の花腐しかな 関和子
卯の花腐しハンガーに兄を掛けておく 池田澄子
卯の花腐し少女の溶かす片栗粉 永井江美子
卯の花腐し松島行は客二人 江森定子
卯の花腐し静かにとじる眼かな 永井江美子
卯の花腐(くだ)し寢嵩(ねかさ)うすれてゆくばかり 石橋秀野
小走りに抜ける卯の花腐しかな 鈴木萩乃
病み呆(ほ)けて泣けば卯の花腐(くだ)しかな 石橋秀野
病棟へ帰る卯の花腐しかな 平野紀美子


青あらし神童のその後は知らず 大串章

2020-06-03 | 今日の季語


青あらし神童のその後は知らず 大串章

取り合わせのお手本の句のようだ
「神童のその後は知らず」の措辞を納得させる
作者の幼友達、好敵手、ライバルか
あるいは神童と呼ばれて作者自身の述懐かもしれない
おりからの夏の強い南風
あの少年時代に想いを馳せる作者がいる
(小林たけし)



【青嵐】 あおあらし(アヲ・・)
◇「風青し」 ◇「青嵐」(せいらん)
初夏の青葉のころに吹きわたる爽やかなやや強い風のこと。「夏嵐」とも。概ね南寄りの風である。「せいらん」とも読むが「晴嵐」と紛らわしいので「あおあらし」と読まれることが多い。同じ南の風でも「南風」(みなみ・はえ)の方が生活に密着した語であると言える。

例句 作者

青夜風男の思いしなやかに 中村孝史
青嵐いまぞ阿修羅の六臂欲し 澁谷道
青嵐夫の小言聞き流す 志村あい子
青嵐子等の自転車駈け抜けし 中村行男
青嵐嵯峨野の広く透きとほる 桜井誠司
青嵐愛して鍋を歪ませる 辻桃子
青嵐昆布の森に艦の影 船矢深雪
青嵐海に出でては平らかに 加藤光樹
青嵐青嵐われ遠くなる 小檜山繁子
青嵐青年の熱世を正す 西田由竹
青空に明るいアレグロ青嵐 石丸ただし
鶴の毛は鳴るか鳴らぬか青あらし 加藤楸邨

梅雨寒のポストの口に触れて去る 瀬戸優理子

2020-06-02 | 今日の季語


梅雨寒のポストの口に触れて去る 瀬戸優理子

ポストの口に触れて去る
なんとも思わせぶりな とも思うが
作者の心中は複雑で形容の言葉がないのだろう
投函の文は確かに持ってはきたのだが
投函してしまった後悔かも知れない
ためらって投函しないでの行為かもしれない
「梅雨寒」という曖昧な季語が
とてもそぐわしいと思えてくる
(小林たけし)

梅雨寒】 つゆさむ
◇「梅雨寒し」 ◇「梅雨冷」
梅雨時に寒冷前線の南下などにより気温が低下することがあり、そうした肌寒さをいう。時には火の気が恋しいことさえある。

例句 作者

とびからす病者に啼いて梅雨寒し 石橋秀野
インド綿ひと巻き分の梅雨の冷え 二郷愛
マンモスの牙にさわりて梅雨寒し 山戸みえ子
人間のうしろしづかに梅雨寒や 岸美世
梅雨寒し一人にかはる信号機 髙野春子
梅雨寒のガレのランプに灯がともる 米倉初音

梅雨寒やバスの乗客皆喪服 平田典子
梅雨寒や眼鏡の玉に指紋浮き 園部鷹雄
梅雨寒を繕ふ針箱セルロイド 櫻本愚草

六月とは遠くの牛の傾きなり 塩野谷仁

2020-06-01 | 今日の季語


六月とは遠くの牛の傾きなり 塩野谷仁

通常、肉牛は24か月で出荷されるという
掲句の牛は震災後の東北の肉牛の相場の下落のことだろうか
傾き が何を意味するかは読者に委ねる作者の意図がうかがえる
あの憂いじみた牛の涙目がたまらない
殺処分になった牛の数も夥しい
野性化した牛もいたという
どうした観方をしても牛は傾いてみえる
(小林たけし)

六月】 ろくがつ(・・グワ・・)
6月は俳句の上では仲夏になる。緑も深まり、夏らしさが目について来ると同時に梅雨入りの時期でもある。

例句 作者

六月のしあわせ集む孫の婚 松本夜誌夫
六月のピアノを置いて嫁ぎゆく 松岡耕作
六月のメタセコイアの雀たち 崎元風骨
六月の女すわれる荒筵 石田波郷
六月の富士よく見えてこころに師 火野保子
六月の母の真珠の重かりき 小川葉子
六月の沼に浮かびし杭の先 福島知子
六月の海の碧さにポスト塗る 高篤三
六月の海原に玉沈めんか 原裕
六月の真夜の家裂く金の馬 金子皆子
六月の眩暈のような箱届く 服部修一
六月の背広に古きティッシュかな 松本勇二
六月の雪に憩ひぬ裏普賢 水谷柳之