やはり4/12には大地震は起きませんでした。
ただ私は闇雲に地震予想を否定するわけでは有りません。
4/12に大地震が起きやすい、との予想があって仮に大地震が起きなくても、その根拠となる要因分析が充実したものならば、そうした予想は価値の高いものだし、逆に4/12大地震の予想が的中し本当に大地震が起きても、その根拠となる要因分析が科学技術の面で殆ど意味のないものならば、それは価値の無い予想、つまりマグレ当たりで価値はないと考えます。
ところで前回の記事で、説明しました。
・・・ これを敢えて4/16~4/18としたのは、次の理由によります。
それは、「新月か満月の前半か或は直前の方が、今までの月の引力の影響が今までより大きくなる過程でのピークだから」と思うからです。・・・
主旨はこの通りなのですが、地震は内陸に限らず海底地下でも起きる場合が多く、若干更に補足説明が必要と思われる点がると思われたので、今回はこれを更に説明したいと思います。
まず「月齢と大潮は若干時間がずれているのが殆どである」、と言う事です。
月齢で月の引力が変わっても、海水がそれに応じて即時潮位変化するのではなく、海水の慣性、その場所に潮位変化分の海水が届くまでの時間など、その場所での潮位に反映されるまでに多少の時間がかかります。
それは地域によって違うのですが、大体は特に日本に於いて1日~2日程度時間差がある場合が殆どで、満月や新月の月齢に遅れて大潮が来る、月齢に遅れて大潮が終わる、と言う事になります。
無論、大潮の潮位や潮流とは余り関係がない事が多い内陸型地震の場合は月齢との相関がより明らかに把握しやすいケースが多い、と考えます。
ただ海洋型の地震の場合は「月齢」と、更に「海水の状況変化」、と言うものも大きく影響する場合が多いため、月齢から遅れのブログでは月齢だけを考えて、大潮はそのバロメータ程度に表現しましたが、それは海ではない内陸、る大潮などの海洋条件も月齢と同様に影響する場合もかなりある、と見ています。
つまり「月齢」OR「海水の状況変化」の論理演算です。
前回まで或は新月や満月と大潮が殆ど同時である地域である場合、或は大潮と月齢に時間差があっても海底付近の海水温度が大潮でも変化が少ない場合の地震の話です。
大潮によって海底付近の海水温度が大きく変化する場合は、前回の説明通り、海底の地盤は温度の影響を受けて膨張や収縮をしたりすると見られます。
今回はイルカ(カズハゴンドウ)が打ち上げられたのと、その前の7日にキタオットセイが銚子で見つかったのと合わせると、海水表面の温度は急に大きく変化したエリアがあった、しかも低温域が南側の銚子、高温域が北側の鉾田と言う「逆転状況」になったと考えられますが、ではその沖までなど広域の海底付近の温度変化はどうだったか?と言うのははっきりはわかりません。
陸に近い部分は海の表層水温度データで把握できますが、海底のはわかりません。
海底の海水温度が表層水と同じ変化率なのはせいぜい表層から数メートルから数十メートル、或は数百メートルまでとかのケースが多いでしょうから、海底がどれだけ影響を受けたかは実はあまりわかりません。
海水温のデータは気象庁で以下のサイトがあり、中層もある程度は把握しているようです。
引用開始
http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/t100_HQ.html#kaisetu
この図は、深さ50m、100m、200m、400mの水温を示しています。水温は図の右にあるスケールで色分けされており、空白の場所は海底が50m、100m、200m、400mより浅いところです。気象庁では、「海洋大循環モデル」の結果と人工衛星、船舶、ブイ、中層フロートなどの観測データを総合的に解析(データ同化)することにより、海面から海底付近までの水温、流れを計算しています。図は、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料をご利用ください。
引用終了
つまり中層400mまではある程度(と言っても表層水以外は、いくつかの測定点、測定日時でのデータからある程度参考にできるレベルで分布が推定されたもの)はわかるのですが、海底、特に400mより深いエリアや150mとかの中間、或は測定点以外の狭いが強い川のような潮流域の海水の温度やその深さの海底地盤やその所の海水の温度は常時測定は広域では殆どしていません。
だから「海底地盤の温度影響は把握できていない」と見て良いのです。
以上の点で、「大潮かどうか」と「海底付近の水の温度変化」と「海の表層水温度や100,200,300,400mの海水温度」は、お互いに「独立事象」なのです。
つまり小潮であっても海底付近の温度変化が急激で広域であれば、海底地盤の収縮には繋がる、と言う事もあります。
それと「月齢」も「大潮」と時間差が大きくある地域は大潮と月齢は独立の関係に近い時間帯も多くあります。
ただ、次の事が確率的には言えると思えます。
「大潮かそれに近い中潮 → 海底の潮流が早いし大規模、となるエリアが多い事が確率的には多い」
AND 「表層水の温度分布で変化が急なエリアがたまたまあった」
AND 「その温度分布は通常はあまり発生しないパターンである」
と言うようにAND条件が重なると、確率的には海底付近の海水温度は広域で急激に変化する確率は通常よりは高いと考えられます。
では今回はどうでしょうか?
陸に近い限られたエリアはおそらく、上記の条件に当てはまったかも知れませんが、広域でどうかとか、陸地から離れたもっと深い海域で、海底付近の海水温度がどうだったかは完全にはわかりません。
なので「海水温度による影響は海底地盤へ急な温度変化したエリアは、通常よりは多くあるかもしれない」「月齢から行くと新月までの直前や前半は通常よりは地震発生の要因度は高い」なのです。
そして両者とも「何も地震は大地震とは限らない。中規模以下の地震の多発である事もある」です。
よく、地震予知予測関連の資料やブログで表層水や上記水深の温度分布を載せているものがありますが、私のこの観点に関する限りは、「海底、例えば関東、東北なら北米プレート側の海底付近の海水温度、その分布、その変化状況、もっと言えばその海底地盤の表面や地下深さ数十メートル位とかの温度分布や変化」が重要だと考えます。
そう言う指摘は検索した範囲では見当たりませんでした。
ただ「表層水温度を目安にするのが的外れか?」と言うとそうでもなく、地震発生の別の要因がもしあってその一次的二次的とかの結果事象の直接間接の出現、として捉えれば或は意味はあるものかもしれない、とは思います。