武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

三ノ宮(作品紹介431) と 来年、2017年9月に東京展が決まる。

2016-11-08 15:55:52 | Weblog


メモのような作品。小品です。
三ノ宮と書いてあり、神戸の街の絵。

このところ、ブログを書くのが遅くなってしまっています。
日々、思うことが、たくさんありすぎて、あっという間に一日が終わってしまいます。

そんな風に過ごしていると、
急にヒロクニさんは、「人間は風にそよぐ葦やからなぁ~」。と云って去って台所をさってアトリエへ。
また、詩人になったのか?と思う。

私も「ヒロクニさんの絵は、表現主義といったら可笑しいか?」とちょっと聞いてみた。
一日経って、ドイツの表現主義の文章が書かれた画集の中の文章を「読んどいてね」。と言われ、
読んでみた。やはり、時代の中の定義があるようで、キャバレー文化というか、ボヘミアン達があふれ、
そういう芽の発端が、表現主義から出だしていた。のちに、フランスでは、ロートレックや印象派達に、
エルンストなどのシュールレアリズム運動の芽へと繋がっていくことが書かれていて、
なかなか興味深く読み、その本の中の絵を眺めていた。

ヒロクニさんは、ドイツの表現主義の作品や、ドイツのバンドのCAN等を非常に高く評価している。
私自身は、ドイツ人の絵画は少し肌に合わないようなのだか、ヒロクニさんにはキラキラとした
宝箱のような感じである。

あれこれ思うのは、日本の古典を読み始めたことにはじまる。
現在は、「枕草子」に入っているが、「帝(天皇)」の微笑ましいエピソードが、非常に人間的に
語られ、それの文章を書いたのは女性であり、古来から女性が活躍する余地があった日本。
何度も「帝」は、登場し、心温まるやりとりがされる。
枕草子は、平安時代の一番安定していた時期に書かれたのが、よく分かる。
なによりも、明るく素直で晴れやかな随筆。不安の入り込む余地がないのです。

随分前の話になるけれど、NHKの大河ドラマで平将門をやっていた時、「日王」と天皇のことを
表現していて「違和感」を覚えたことを思いだしました。
やはり、「帝」とテレビでも表現しなければならなかったと強く思いました。
もしかして、そのドラマは基本的な古典などの素養もなく、わざと「日王」と表現したとしたら、
それは、日本人じゃないのでは?との思いを強く持ちました。
そんなことを考えていたのです。

古典・平家物語でも、高倉天皇のエピソードが出てきます。

高倉上皇は人徳に優れた賢王で幼少の頃から柔和でした。
十歳の頃、紅葉を大変愛され、庭に紅葉を植え、一日中眺め暮らしておられました。

ある時、風が激しく吹いて紅葉を吹き散らしたことがありましたが、 庭掃除の召使どもが、その紅葉を集めて、
酒を温める火種にしました。

気づいた係の役人は、真っ青になって高倉天皇に報告します。
しかし高倉天皇は「林間に酒を煖めて紅葉を焚く(注)という詩の心を、誰がお前たちに教えたのか」と
かえって感心され、何のお咎めもなさいませんでした。

こういう心温まるエピソードが、とても多いのです。
平家物語以外にも、特に徒然草にも、その時代の「天皇」のエピソードが数多く見られ、庶民からも慕われている
様子が、古典ではあたりまえであり、高貴な人も文人も庶民も心の支えにしている風がみられ、そんなことに
改めて気づかされ、驚いたりしています。

ニュースで、「生前退位」と乱暴に発言しているのを聞くと、古典の奥ゆかしさにふれたあとでは、
酷く乱暴に聞こえるのです。なにか、美しくないのです。

古典を読み出してから、何か内なるものに変化が起きそうな予感がしています。



こちらは、粋人の「着物の本」。
白洲正子氏は、白洲次郎氏の奥様でもあります。
また、瀬戸内の画家、「松田正平」が無名の頃から、目をつけ評価したという目利き。
白洲正子のきもの (とんぼの本)
クリエーター情報なし
新潮社


そんな人が、45歳から着物に寝覚め、自分で「こうげい」という店を経営してしまう。
目的としては、『職人的技術と工芸作家の創意を結びつけること』というコンセプトとやはり白洲正子氏の
美的感覚が生かされてこそ出来上がった着物が、語られています。

白洲正子氏の粋な着物と帯の組み合わせは、やはり特別な美という感じがして美しい。
かわいらしいという感覚ではなく、こざっぱりしていて、高価なものなのに奥ゆかしさを感じるのがいい。

着物を日常着る努力をしていて思うことは、ごろごろと寝たりできないので、働き者になります。
また、着物のままで、買い物などに行きますが、微笑んでくれる方がいます。古い汚れても気にならない
レトロな着物は、「あー、こういう着物、私も持っている」というようなものなので、懐かしいく思う人が
いるのかもしれません。


武内ヒロクニの絵。また、ドイツの絵画。古典。着物。白洲正子氏という目利きの粋人。
皆、芸術です。


東京での個展が、銀座にある「ギャラリー枝香庵」にて、9月に決まりました。
ヒロクニさんも、気持ちを9月に向けて焦点を定めているのが、伝わってきます。
私も気持ちを引き締めているところです。







コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする