武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

ヒロクニさんとアドルフ・ヴェルフリ展を観にいく

2017-01-15 17:41:01 | Weblog


1月11日 兵庫近代美術館へ『アドルフ・ヴェルフリ、二萬五千頁の王国』展へ行って来ました。
アドルフ・ヴェルフリは、ヒロクニさんと結婚した頃から、お互い知っていました。
時々、美術雑誌で取り上げられていて、ヒロクニさんと「面白い絵画だね」。と、
お互い思っていて、その展覧会がはじめて実現したのです。

本当に、変わった絵なので、文章では伝えられないので何点か紹介します。









この絵は、出口の近くにありました。

アドルフ・ヴェルフリは、アウトサイダー・アートとか、アール・ヴリュットの画家と紹介される。
一般の美術教育もなにも受けていない人で、精神病を患った人が描いた絵ことを指す絵です。
急に、ある日を境に描きだす人が多い。

アドルフ・ヴェルフリもスイスの精神病院に入ってから、絵を描きだしました。
その作品を観てきたのです。

鉛筆と色鉛筆で描かれた絵であり、ヒロクニさんも鉛筆と色鉛筆で描く。
その共通項もあり、観に行きました。
それに、アドルフ・ヴェルフリを知ってから、30年ぐらいの月日も経ち、初めての展覧会です。
実物を見れることに凄くワクワクして行きました。

実物を見ると、ほぼ直線に見える線が多く引かれているので、定規でも使っていたのだろうか?
きっと使っているのだろうと絵を見て思った事。
円径が非常に綺麗な事。コンパスでも使っているのだろうか?と思った事。
そんな時ふと、兵庫近代美術館の館長の方が解説している言葉が耳に入ってきた。
「彼は、定規などのものはいっさい与えられていないので、・・・」という言葉が・・・。
思わず近くへ行って「本当に、定規とかコンパスは使用していないのですか?」と
聞いてしまいました。返答は、「そうなんです。一種の才能があったわけです」と教えて下さいました。

それからは、直線と円径を食い入るように見た。

左右対称に繰り広げられる円と曲線は美しい。

画集などでは分からないが、繰り返し出てくる同じ顔の人物の顔も良く見ると、
一つ一つ表情があり、意外と可愛らしい。それは画集では小さくなってしまうので分からなかった。

ヒロクニさんは、音符のある直線の間に描かれているあの形(なめくじかと私は思っていた)は、
「小鳥なんだ」と何度も言いに来た。②の絵にその小鳥が描かれています。

①と②の絵は、スイスの新聞紙(印刷されていない)描かれています。
③は画用紙に描かれています。
③の絵は、絵を売って換金できることに気がついたヴェルフリが、換金する為に描いた絵だそうです。
そして、そのお金で、色鉛筆を買って貰って色数を増やしたそうです。
初期の頃は、鉛筆で描かれた部分が多いのは、単に色鉛筆があまりなかったようです。

いつも気になるのは、アール・ヴリュットと言われる画家の生い立ちだ。
とても、不幸であることが多い。
ヴェルフリも例外ではない。
1864年、貧しい両親のもとで生まれ、その父は品行不良で妻や子供のめんどうをみず、やがて犯罪者に
なり、犯罪者の子供といわれる。病弱ながら優しかった母は、子供の面倒をみることが出来ず、
養育は、地方行政区の福祉援助に委ねられる。行政区長はその兄弟を罵り、屈辱をあたえる。
そして兄弟5人はバラバラに。
8歳だったヴェルフリは、里子奉公協会に引き取られ、母からひきはなされる。
貧しい大工の所で一年間働くことになったが、その家も安住の場ではなく、いつもひもじかった。
その上、酒飲みだった家主にブランデーを買いにしばしば行かされるが、ある日転んで瓶を
割ってしまい事情を説明すると、カンバの木の鞭で、裸の背中から尻までを鞭打ちされる。
度々の折檻。
1年が終わり、新しい家に移り、以前の里親と比べるとましであったが、やはり召使のように扱い、
また、鞭打ちが待っていたのであった。
これ以降も不遇が続くのである。
また、ヴェルフリも猜疑心や怒りの感情を内包してく。

これは、ヴェルフリが記した自伝の幼少の箇所ですが、ヴェルフリが9歳の時、すなわち1872年のスイスでは、
鞭打ちをこのようにしていたことに驚く。
それとも、ただ運が悪かっただけなのであろうか?

精神病院に入ってから、外の世界に出たがらなかったヴェルフリ。
そして、絵に打ち込み出したヴェルフリ。
絵を描くことで、少しは幸せになれたであろうか?と考えるのでした。

ヒロクニさんは、実物を鑑賞してから、あまりヴェルフリについて語らなくなった。
なんでだろう?と、
そちらの方が、疑問なのであった。
書いたようなことを、ヒロクニさんに話すが、ヒロクニさんは聞いているだけで、
私が一方的に家でも話しています。


今日は、寒い一日ですね。
我家の猫ちゃん、ジルくんは雪が積もった朝から、外で遊んでいます。
なんか、変な猫なのだ。
私は、着物に羽織、そしてショールもまいて、過ごしています。
江戸時代は、庶民は寒さをしのぐにの、着物を何枚も重ねて過ごしていたようですね。
重ねて布団みたいになっているのです。
浮世絵にその姿が描かれているのを見たことがあり、なんとなくしたくなるよね、と
含み笑いを今日しています。









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