武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

春にいいなぁと思って(色鉛筆作品紹介596)と 我家のビオラ達

2021-03-25 09:38:50 | Weblog

春の訪れ。

一雨ごとに暖かく・・・・。

この絵がこの季節に合うのではと思い取り上げました。

このシュールな絵とピンクが、とてもイイ。

私は春になるとこの絵を思い浮かべます。

この絵は、色鉛筆で描かれています。

 

こういう絵は、写実とはかけ離れているので、一般的にはあまり受け入れられにくい作品なのかもしれません。

武内の絵については、こういう事はよく考えます。

私は、どちらかと言えばすんなり受け入れることが出来たのも、元々の好みがあったと思うのです。

絵を描くのは好きで、小学校ぐらいからよく描いていたでしょうか?美術の教科書を眺めては、この絵が好き、この絵はいまいちかな?と自問自答を繰り返す癖がありました。高校生ぐらいになると、写実より断然抽象というか、プリミティブな感じのものに軍配が上るようになっていて、どうしてだろう?と思うように・・・。パウル・クレー、カンディンスキー、ディビュッフェや、モランディって変わっているな・・・と思ったり、特別に好きな花の絵があったりと(写実のようで写実でない)。

元々、写実の絵よりプリミティブな“何?何故?”と思う絵が好きでした。ヒロクニさんに限り、絵だけじゃなくて、当人まで接近してしまっています。

もう1つ不思議なことが・・・・・。

私は、美術学生の頃、飯田三代さんの絵がとても好きになって、よく個展も見に行っていました。学生だったので、バッジしか買えなかったが、とても好きだった。

その話をヒロクニさんにすると、

「三代?知ってるよ。高校生の頃、家によく来ていたよ。」と言うのです。

「えっ?どういうこと?」と言うと、

「三代は、ギター持ってよく来ていた。写真があると思うよ。」と。

写真には、明石公園で、笑っている三代さんが写っていた。

本当に不思議に思いました。

何か、絵の資質でつながっているように感じたのです。好き資質とでも言っていいかもしれません。

今は、飯田三代さんとの交友はありませんが、人は資質で巡り会い、そして離れてそれぞれの道があると思いました。会えば、「やあ!」って言うのでしょう。

その飯田三代さんは、神戸での「しあわせ食堂」の絵の個展に来て下さり、その時は、その頃の旧友達も集まって、珈琲店でワイワイ言いながら、談笑をしていました。ヒロクニさんは、「おい、ミヨ。」と言って、古い思い出話をしていました。

ヒロクニさんは、飯田三代さんに、

「こいつ、お前の絵が好きなんだよ!」と大きな声でいい、紹介してくれた。私は、もう照れくさくって、「個展も何回も学生の頃行ったし、ファンなんです。」と言うと、近作をカメラの画像で見せてもらった。やっぱり、線と形が好きで、いいなぁ~と思いました。イラストレーターとして活躍していらしたけれど、やっぱりこの方は、美術家だと思いを新にしたのです。

ヒロクニさんは、「ミヨ。ミヨ。」と呼び捨てにしていました。

ほんとに鎌倉から来て下さっていたことを思うと、こんな感じで、好きな作家と会えるなんて贅沢。感激でした。

私より少し上の年齢の集まりで、ヒロクニさんより少し世代が若い。

ヒロクニさんの悪友も来ていて、ヒロクニさんの過去の汚点を私に吹き込んでくれたりと、このざっくばらんで気安い雰囲気はかなり心地よく、「えー、そうだったのですか?」「私が聞いていた話と違う・・・。」とか、ヒロクニさんの弱み握ったような感じの話です。

この集まりは、文化的な不良めいた人が多かったので、独特な感じで、日常からは遠い世界。皆、あくが強い。その中心人物が、ヒロクニさんなんです。ヒロクニさんから、派生している集まりでした。この集まりは、不良少年少女の資質の繋がりかもしれない。(私を除く)

ヒロクニさんは、私と違い、子供の頃から絵を描くのが好きというタイプではありません。中学生の時にいきなり油絵を描いたという人で、中学生の時に描いた絵で、もう芸術家になると決心を固めたと言います。最初は、小説家がいいかな?と思っていたらしいが、「絵って、見たら分かる。」というのがイイと思ったそうです。

この話を聞いた時、意識の持ち方が全然違うのだなぁ~と、出発の仕方が男だ!と思いました。早くから芸術家としての意識を持とうとした出発点というのに驚きました。「作家意識」を持つということから出発したヒロクニさんで、今に至っています。

芸術家の方は、皆それぞれの出発点があるのでしょうね。

 

 

↑こちらが、飯田三代さんの絵

イラストレーションという雑誌に載っていたものです。

この雑誌は、今でも大切にしています。

不思議な可愛さと、色の重なり具合が今でも好き。

「自分の好きなもの」について、どこが好きなのか?どうして好きなのか?を自身に問うのは、自分を知ることにつながると思っています。

私は、ヒロクニさんの絵で好きだと思うものを見て、何に反応しているのか?と思っている内に、形とか色だけに反応して見ているだけかも?と思ったことがあり、それだったら、情感は私の中では無視されていることになる。と、考えを深めていきます。

嫌いなものを見つめるより、好きなものを分析するのは楽しい。

嫌いなものは、頭にくるから身体によくありません。

 

庭では、私だけの先祖帰りしたビオラが花を付けだしています。

新種のタイプも生育しています。

↑採取した種と同じものが咲きました。

この薄曇った黄色が、クラッシックな風合いがして好きで、このビオラの種を昨年採取しました。

↑黄色の花の種から先祖帰りした茶色と黄色のビオラ。

茶色の入り方がいろいろです。

花の形が、細長くて「うさぎビオラ」と少し似ています。

↑このタイプの種も採取しました。

茶色が濃いビオラです。

↑黄色の花と同じタイプの花が咲きました。

時に、花びらが丸みを帯びたものがあります。

↑紫色を帯て、模様が賑やかな印象のビオラが咲きました。

↑上の写真のビオラと似ていますが、紫色の多いビオラも咲きました。

↑濃い茶色がくっきりとしたビオラ。

2苗だけ育ちました。

↑こちらは、1苗だけ咲いたビオラ。

フリル咲きのパンジーのようなビオラの苗を購入して、たまたま種を採取して育ているビオラですが、先祖帰りして様々な花を咲かせてくれています。

8種類の花に分かれています。

来年は、どうなるのかな?と思いつつ眺めています。

 

桜も開花を始めたようだし、本格的に春ですね。

気温のことばかり言う、ヒロクニさんも気持ちがほぐれつつあります。

気温が低いと文句言う夫。

「気温のことは、私にいってもどうにもできませんよ。」といつも言います。この言い回し、気に入っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (ともりん)
2021-03-30 00:40:34
チューリップのようでもあり、ハスのようでもあり、違う生き物のようでもあり。
でも、どんな感じ方をしても、ポコポコと芽生えてくる春の息吹は全体からあふれてきます。
絵画のことは、本当によくわかっていません。私の作品鑑賞は感覚と概念で表面しかとらえていないと思っているのですが、、この作品はなんだかすごい絵画のような感じがします。

飯田三代さんの作品も、どきっとしました。
感覚の幹の何かが、ヒロクニ先生の作品と共通するように感じました。何か、は、もちろんわかりませんが。

ヒロクニ先生の作品は、さほりんのおっしゃるとおり「一般的にはあまり受け入れられにくい…」なのかもしれませんが、今回のさほりんの記事を読むまで、それに気が付いていませんでした。
私は、『しあわせ食堂』の表紙と挿絵で驚いてしまいました。美術的な知識も感性もない自分が、目の前の景色を一変させるようなあの衝撃を今でも鮮明に思い出します。
一般的にはそんな衝撃は必要ないのでしょうから、受け入れられないのかなあ、と考えてしまいます。
私の衝撃は、最初が『しあわせ食堂』でした。次は枝香庵の個展での展示作品でした。その次はもちろん、購入した作品です。実物の作品は、何度見ても、しびれるような感動が毎回、からだに響きます。

ビオラが満開ですね!
先祖帰りが、とてもクラシックな色合いです。この美しい発色が先祖返りなのかなと思い、心がふっくらしました。
黄色と茶色の花びら、もっとずっと前は、あまり美しいと思っていませんでした。
でも、さほりんのブログで記事を読み、画像を見ていくうちに、得も言われぬ「美しい」という感覚が芽生えてきました。
今では、明るい赤系や紫系のあざやかな花びらより、この先祖帰りのビオラが美しいと感じます。

そして、「気温のことは、私にいっても~」、あっぱれな言い方!と拍手してしまいました。
言葉の使い方は難しいですが、きれいに配置するときれいに伝わるなあと思いました。
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私は雫のように思っていました。 (さほりん)
2021-03-31 06:02:51
コメントありがとうございます。
「ハスのようでもあり」との絵の部分、私は雫を溜めている装置と見ていました。見る人によって、イメージするものが違うのは、面白いね。それも個性だと思います。いつも素直な感想をよせてくださり、こちらもハッとさせられます。(そんな風にも思えるなあ~と見方を変えるもの面白いのです。)
絵画のことを分かっている人って、いるのかな?分かっているフリをした人が大半では?分からないから面白いし、何か魅かれると思うのです。私自身もこんな風に思う、こんな風に感じるという思いを大切にしています。絵画について分かろうとするあまり、頭でっかちになる人もいるので、そっちの方が問題だと思います。感動って、理論じゃないと思うのです。

私は、初めて行ったヒロクニさんの個展で作品を見て、衝撃を受けた。個展で心から素晴らしいと思う画家はいなかったので、そういう人がいたと!高揚感がありました。色のせめぎあいが昇華されていて、凄い!と思ったのです。(あの頃は初々しかったわねー。)

ヒロクニさんの絵は、ある種の人が強烈に好きになるみたいです。感覚タイプという人と、独学が好きな人、意外と音楽も好きな人だったりします。大まかな類別ですが・・・。何か共通するものがあるかもしれません。

ビオラ、不思議です。8種類もの花が咲いて。今年の秋は種を分けて蒔くのが大変そう・・・。
私は、暖色系の茶色が好きなのかもしれません。手前勝手なのですが、アンティークみたいな古びたイメージをこのビオラ達に寄せているのだと思います。

もう、気温のことを言われたら、めんどくさいので、「私に言っても無理」を、古女房のような言い回しで返しています。(笑)本当に、この言い方気に入っているのです。
こんな事まで、感心してくれてありがとう!!
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