システム・エラー
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友情ってなんだろうね? 真っ先に浮かぶのは、走れメロスかな。え? 知らないの? そういう世代なのかね。若い頃は、同じ悪さをすれば、共同体みたいな意識が芽生えたけど、なかなか、そのままの気持ちはね、抱き続けることは難しいよ。あの時さ、まだ中学生だったよ、夏休みに連発式の花火を互いに向け合って、打ちまくっていた。耳のそばをかすめてね、よく怪我しなかったもんだな。あまりに騒ぎすぎて、近所のおじさんが叱りに来たけど、逃げながらそのおじさんに向けて、やっぱり放ったんだ。いま、もの凄い反省しているよ。
女性は、どうなのか知らないけど、男性同士だと、半年とか一年ぐらい会わなくても、ふとまた会うことがあったら、様子を伺うこともなしに依然の関係に瞬時に戻れると思わない? 不思議だね、時空を超えちゃうのかね。ぼくにも、数人の友達がいるんだ。少ないけど、逆に数人ぐらいで充分だよね。
自分でも呆れるぐらい人の欠点に目を向けてきたけど、今後は、もうそうしたことはしたくないんだ。残された人生、人の悪口ばっかり言って生きていくには、短くてもったいなすぎるよ。あんなに嫌なやつだけど、どっか良いところもあるだろうね。神が誰かを創ったなら、そう見捨てたもんでもないだろうしね。それから、その嫌なやつと、ちょっと合わせて話してみると、その、なんていうのかな自分にもプラスになるよね。マニュアルが作られるのかな、次の機会にでも、同じような嫌なやつにも自然と親しめるしね。でも、半分ぐらいしかできていないんだ。どこかで、こころを閉ざしている自分も、はっきりと存在するしね。
あの歌手と別れたときも、ある友人に話したんだ。とても温かいメールが帰ってきたよ。自分の失敗談も含めてね。同じような境遇にあった証拠としてね。まあ、自分一人ではないと感動したんだろうね。なんか目の奥が、恥ずかしいけど、分かるだろう? あの、泣き出す寸前だね。頑張って泣くのをこらえていたのに、家に着いて、母親の顔を見た瞬間、なにも言わずに泣いた経験なんか誰にだってあるだろう? この冷たい世の中でも、きっと、まだまだ純粋な心って残っているんだろうね。ぼくも、心の深いところでは楽観的なんだ。でも、人を慰めるなんて、自分でもしているんだろうかね。あんまり思い浮かばないな。
そう、ぼくのチームの後輩とも飲みに行ったりもするんだ。仕事中は偉そうな口も聞くけど、こんな時は、わざと羽目を外して、近づきやすいように仕向けるんだ。なんか甘ったれだもんね、直ぐふくれたり、つけあがったり難しいよ。でも、伸びる可能性のある世代だから、頑張ってもほしいんだ。
あと、お金の問題もつきまとうね。友人にお金を貸したりする? あれって、どちらも最後には気まずくなる結果が待ちわびているね。あげるぐらいの方が居心地が良いかも。なんか使い古された説明だけど。ぼくも、古い世代の一人なのかな? 常識がとても好きだし、枠組みもなんか好きなんだ。
友情の話だったね? 女性と友達になれる? 親しくしていると、あれって自然と好きになってこないの? やっぱりぼくは古いのかな。とても、話しやすい人がいたんだ。勘違いしちゃったよ。自分が、ああも自然と伸び伸びといられたなんてね。でも、良く考えれば分かることさ、その人は、ぼく以外の人とも、当然のように上手くやっていけるんだから。そう、チームの後輩の話だよ。今度、その二人が結婚するんだって、そこでぼくに何か簡単でもいいから、スピーチしろっていうんだ。ぼくって、こころの奥では反抗的だろ、ああいう現場に立つと、誰かの神経を傷つけたくなっちゃうんだ。そして、自分も凄い反省したり、後悔したりしてね。でも、いまからよく練って、推敲しているんだ。まあ、見栄っ張りでもあるしね。彼女のためでもあるしね。
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友情ってなんだろうね? 真っ先に浮かぶのは、走れメロスかな。え? 知らないの? そういう世代なのかね。若い頃は、同じ悪さをすれば、共同体みたいな意識が芽生えたけど、なかなか、そのままの気持ちはね、抱き続けることは難しいよ。あの時さ、まだ中学生だったよ、夏休みに連発式の花火を互いに向け合って、打ちまくっていた。耳のそばをかすめてね、よく怪我しなかったもんだな。あまりに騒ぎすぎて、近所のおじさんが叱りに来たけど、逃げながらそのおじさんに向けて、やっぱり放ったんだ。いま、もの凄い反省しているよ。
女性は、どうなのか知らないけど、男性同士だと、半年とか一年ぐらい会わなくても、ふとまた会うことがあったら、様子を伺うこともなしに依然の関係に瞬時に戻れると思わない? 不思議だね、時空を超えちゃうのかね。ぼくにも、数人の友達がいるんだ。少ないけど、逆に数人ぐらいで充分だよね。
自分でも呆れるぐらい人の欠点に目を向けてきたけど、今後は、もうそうしたことはしたくないんだ。残された人生、人の悪口ばっかり言って生きていくには、短くてもったいなすぎるよ。あんなに嫌なやつだけど、どっか良いところもあるだろうね。神が誰かを創ったなら、そう見捨てたもんでもないだろうしね。それから、その嫌なやつと、ちょっと合わせて話してみると、その、なんていうのかな自分にもプラスになるよね。マニュアルが作られるのかな、次の機会にでも、同じような嫌なやつにも自然と親しめるしね。でも、半分ぐらいしかできていないんだ。どこかで、こころを閉ざしている自分も、はっきりと存在するしね。
あの歌手と別れたときも、ある友人に話したんだ。とても温かいメールが帰ってきたよ。自分の失敗談も含めてね。同じような境遇にあった証拠としてね。まあ、自分一人ではないと感動したんだろうね。なんか目の奥が、恥ずかしいけど、分かるだろう? あの、泣き出す寸前だね。頑張って泣くのをこらえていたのに、家に着いて、母親の顔を見た瞬間、なにも言わずに泣いた経験なんか誰にだってあるだろう? この冷たい世の中でも、きっと、まだまだ純粋な心って残っているんだろうね。ぼくも、心の深いところでは楽観的なんだ。でも、人を慰めるなんて、自分でもしているんだろうかね。あんまり思い浮かばないな。
そう、ぼくのチームの後輩とも飲みに行ったりもするんだ。仕事中は偉そうな口も聞くけど、こんな時は、わざと羽目を外して、近づきやすいように仕向けるんだ。なんか甘ったれだもんね、直ぐふくれたり、つけあがったり難しいよ。でも、伸びる可能性のある世代だから、頑張ってもほしいんだ。
あと、お金の問題もつきまとうね。友人にお金を貸したりする? あれって、どちらも最後には気まずくなる結果が待ちわびているね。あげるぐらいの方が居心地が良いかも。なんか使い古された説明だけど。ぼくも、古い世代の一人なのかな? 常識がとても好きだし、枠組みもなんか好きなんだ。
友情の話だったね? 女性と友達になれる? 親しくしていると、あれって自然と好きになってこないの? やっぱりぼくは古いのかな。とても、話しやすい人がいたんだ。勘違いしちゃったよ。自分が、ああも自然と伸び伸びといられたなんてね。でも、良く考えれば分かることさ、その人は、ぼく以外の人とも、当然のように上手くやっていけるんだから。そう、チームの後輩の話だよ。今度、その二人が結婚するんだって、そこでぼくに何か簡単でもいいから、スピーチしろっていうんだ。ぼくって、こころの奥では反抗的だろ、ああいう現場に立つと、誰かの神経を傷つけたくなっちゃうんだ。そして、自分も凄い反省したり、後悔したりしてね。でも、いまからよく練って、推敲しているんだ。まあ、見栄っ張りでもあるしね。彼女のためでもあるしね。