爪の先まで神経細やか

物語の連鎖
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作品(3)-7

2006年06月16日 | 作品3
システム・エラー


育てられ方なんて、大袈裟に言っちゃったけど、大したことないんだ。ただ、運動部のアイデンティティみたいなものがあるでしょう。目上の人や先輩を立てるというあれだよ。自分より能力がない人でも、尽くす美学があるじゃない? あれ、自分に酔っちゃうのかな? こんなに頑張っているオレ、とか認められないのに健気とかさ。神の視線、そんなのに満足感をすり替えちゃうのかね。そうなんだ、人のためになることで、頑張れちゃうこともあるんだろうね。

でも、その小さい世界だけど、一種のセンセーションを起こした形になったんだ。何か変わったって? それは、ぼくは本来、服装とかずっと無関心だったんだ。だけど、そうもいかなくてさ。たどり着いたのが、ボタンダウンのシャツなんだ。あれ着ると、なんか、まあ文化のことも知ってそうだし、ちょっとまともにも見られるのかなと計算もしたりしてね。だから、自分でもボタンダウン・フリークと呼んでいるんだ。あのシャツ、ポロの時にイギリスの選手が、襟がひらひらしないようにボタンで留めたのが、ヒントらしいよ。なんか素敵なエピソードじゃない?

だから、正直女性の服装とかも、よく分からないんだ。そりゃ、一緒に買い物に付き合わされたりするけど、男性って直ぐ飽きない? 本屋とかCDを見てるから、お好きに、とか言ったら、その後、数時間も口を聞かなくなっちゃうし。なんだろうね。そうしたところからも、プレゼントとかも困るよね。「なにが欲しい、今回は?」とか聞きまわりたくなっちゃうよ。でも、それって反則だろう。

とか言いながら、服装のセンスの悪い女性って、セクシーだと思わない。無防備な感じがするのかね。個人的なものかな。まあ、一点のすきもない人よりは、ルーズな印象はするよね。ゲームの主人公のことも耐えず考えているんだ。理想てきな顔の造形とかも興味あるよ。あまり普遍的過ぎて、人の受ける印象が薄っぺらになってしまうこともあるよ。その時には、的確なアドバイスをしてくれる友人がいるんだ。ぼくの最終チェックをする人だよ。最初から、なにかを生み出す人ではないんだけど、そうした枠に合うよう、見栄えを訂正できる人っているんだよね。でも、爆発的な想像力は残念ながら、持っていないんだよね。でも、人なんか役割をこなすのが目的にもなってしまうしね。

先刻のスポーツをしていたので、ちょっと従順さが残っている、という所がもっと知りたいんだね。まだ、修行中で完成されていないんだ。でも、どっかで本気で喧嘩を売ったりすることもあるよ。年下には、しないけど、本気で腹が立つのは、そりゃ、年上の傍若無人ぐらいだろう。なんどか仕掛けたこともあるけど、見事に負けて帰ってきたよ。それでもいいけどね。活力が与えられれば。正しいことをして、栄光を受けないことに、本来の良さがあるんだ、と考えたりもしてね。でも、思ったことが、実行して成功につながる気持ちよさもあるけどね。みんな、どっかで自分は失敗する、成功には向いていないとか、不運を寄せ付けちゃうのかもしれないね。あら、また、本屋のサクセス棚みたいな意見が出てきちゃった。喉渇かない? 喋りすぎたかな。ぼくは飲むね。

次のアイデアもあることは、あるんだけど。具体的にはね。能力が尽きないことを、チームの後輩に見せ付けたいと思っているところなんだ。彼らも、そろそろ個人的な名声を望んでいるところだけど、まだまだ、この分野の先駆けは、自分だった、という証も示しておかないと。そうしたら、やっぱりビーチでのんびりしたいな。犬が砂浜なんか走り回ってさ。ぼくも普通の生活に憧れてきたよ。もう若くないのかな。両親も安心させてあげたいな、とかほんのたまに頭の片隅をよぎるんだ。酔った後に、一人になった時なんか、とくにね。