. 語らない(2023.9.7日作)
真に物事を知る人
物事の根源を見詰める人は
寡黙だ 多くを語らない
語れないのだ
言葉を失う
言葉では語り尽くせない 闇が
物事の深部には存在する
多くを語り 能弁な人間は 得てして
物事の表層
現象しか見ていない
閃き
ヒラメキ
一瞬の閃き ふと閃いた
ヒラメキとは 日頃の
日常体験 経験 その
積み重ねの中から生まれるもの
何も無い所から 閃きは
生まれない
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希望(32)
<川辺時計宝飾店>と白地に黒く書かれた看板が通りを隔てて斜(はす)向かいに見えて来た。
灰色の鎧戸にも同じ文字が見える。
「あの店だな」
鳥越が言った。
「うん」
北川が気負い込んだ様子の力のこもった声で返事をした。
「だけっど、随分明るいなあ。大丈夫かよ」
鳥越が街灯の明かりを気にして言った。
四つ角それぞれに思い掛けない明るさで街灯が明かりを点していた。
昼間と見間違うばかりだった。
「大丈夫だよ。店の裏っ側へ廻るんだ」
北川は確信に満ちた口調で言った。
四つ角に出た。
宝飾店は対角にあった。
四方が見通せた。
どの通りにもスズランの花形を思わせる街灯が白い柔らかな光りを放って立ち並んでいた。
「あの紳士服店の裏っ側の方から入(へえ)るんだ」
それぞれがビルの建物の陰に身を寄せて身体を隠した姿勢で北川が言った。
対角線に位置する距離は二十五、六メートルかと思われた。
「どうやって入(へ)える ?」
鳥越が言った。
「脇に小っちぇ通用口があっから、そっから入えって行って裏口のインターホンを押すんだ。そっで起きて来たら、警察だけっど店の様子がおかしいから表の戸を開けてくれとか何とか言ってさ。紳士服の店も表は店舗で、夜は人が居ねえから見られたり聞かれたりする心配えは無えと思うんだ」
鳥越は黙って頷いた。
「どうしょう。戸を開けさせるまで、誰か表で見張っていた方がいいんじゃねえか。もし、人が通ったりしたらヤバイからよう」
北川が言った。
「そうだなあ」
鳥越もすぐに同意した。それからすぐに、
「俺が見てるよ。そっで、ヤバイと思ったら口笛で合図するよ」
と自分で見張り役を買って出た。
「じゃあ、俺とお前(め)えで行こう」
北川が修二に言った。
街頭の防犯カメラを警戒して三人はそれぞれ別々に向こう側へ渡った。
鳥越が最初に、今来た道を戻り、四つ角から遠く離れた場所で車道を横切り、向こう側へ渡った。
続いて修二が北川に指示されるままに一旦、車道を渡り、鳥越とは反対の方角へ歩いてそこからまた、店舗のある側へ車道を渡った。
最後に北川が店の前のこちら側の角から店舗のある角に向って歩いて行って向こうへ渡った。
それぞれ各自がその場所から店舗を目差した。
三人の距離が近付くと北川が修二を手招きして、店の裏側へ廻る様に指示をした。
鳥越は店の横の道を渡って向こう側へ行き、別の建物の陰に身体を隠して大通りの様子を窺った。
北川が鳥越の様子を確認してから修二の後を追った。
北川は修二に追い着くとすぐに店の裏口に当たる狭い路地の前へ足を進めた。
辺りの様子を見廻してから北川は先に立ってその路地に入った。
修二も後に続いた。
眼の前には丈の低い木製の柵があった。
北川が上から手を延ばして内側の掛け鍵を外した。
柵を開けて入ると建物の裏側、通用口の木製の扉が二、三歩先にあった。
左側に押しボタンを備えたインターホンの通話口が見えた。
北川が修二を振り返って、
「帽子を被れ」
と言って、自分もポケットから黒い眼だし帽を取り出して被った。
修二は無言のまま北川の言葉に従った。
眼だし帽を被った北川は鼻と眼だけを覗かせていて、人相を見分ける事は出来なかった。
「いいか、表のドアを開ける様に言うから、ナイフを出して用意して置け」
北川は言った。
修二はその言葉に従ってポケットからナイフを取り出して右手に握った。
「表の戸が開いたら、すぐにナイフを開いて相手に突き付けんだ。見せるだけでいいかんな。その間に俺が眼出し帽を被せてロープで縛るから、俺と鳥越が仕事をしてる間はしっかりとロープを握って押さえてろよ。いいな」
北川は力のこもった声で言った。
修二は黙って二度、大きく頷いた。
知らず知らずのうちに昂揚した気分に捉われていた。
北川はインターホンのボタンを押した。
暫く待っても返事は無かった。
北川はまた押した。
何度か押したが中からの返事は依然として無かった。
真夜中の二時を過ぎた時刻だった。誰もが深い眠りの中に居るだろう。
当然の事に違いなかった。
北川はそれでも諦めずに何度も押して中からの返事を待った。
返事は依然として無かった。
「駄目かなあ」
次第に焦りの色が見えて来て北川は言った。
その時だった。
「なんですか、誰ですか ?」
不審に満ちた男のくぐもった声がインターホンを通して聞こえて来た。
北川は途端にシメタ ! という風に頷いた。
「あのう、警察の者ですけど、店の前の様子がおかしいんです。ちょっと表のシャッターを開けてくれませんか。なんだか様子がおかしいんです」
如何にも急を要する事の様に北川は、緊迫感に満ちた声で言った。
「警察 ?」
驚きを含んだインターホンからの声が修二の耳にも届いた。
「はい。なんだかおかしいんです。表の戸を開けて下さい」
相手を急かす様に北川は言った。
「ちょっと待って下さい。今すぐ開けます」
不意を突かれた様子の、明らかに狼狽の気配を漂わせた声でインターホンの主は言った。
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takeziisan様
連日の猛暑 異常です 狂熱気候 気違いじみています
さすがにクーラー使用との事 お尋ねしようと思っていたところです
この暑さでも使用しないのか と
白黒写真 昭和三十九年 懐かしいですね
山小舎の灯 ラジオ歌謡 近江俊郎 歌声が蘇ります
くれゆくは白馬か 穂高はあかねよ
それにしても山小屋の風景 良いですね
見ているだけで一日の登山に疲れた人達がやれやれ といった気分で腰を落ち着ける
わたくしは山の経験は無いのですが 旅行に行った折りなどに覚える
あの感覚を通して想像が出来ます
山好きが虜になるのも分かる気がします
イノシシ 突然の豪雨 こちらでは一向に雨が降りません
よく話しをするのですが この地方は本当に環境的には
恵まれた地方です あちらで大雨 こちらで大災害
ただテレビで眼にするだけで みんな他人事の様な感覚で
実感が湧きません 以前にも書きましたが
苦労知らずのこの地方 だから偉い人が出ないんだと
地元の人達は言っています
ハワイアン スチールギター 大橋節夫 バッキー白片・・・・
懐かしいですね ハワイアンブームがありましたね
映画「ひまわり」最後の場面の切なさ・・・
愛し合っていながらどうにもならない運命
愚かな戦争がもたらす悲惨さを抒情豊かに描いた
デ シーカの名作ですね
胸が痛くなります
今回もいろいろ楽しませて戴きました
有難う御座いました
桂蓮様
足が不調との事 どうぞ御大事にして下さい
普段 何気なく出来る事が出来ない事のもどかしさ
ほとんど 絶望的になりますよね まして楽しみにしている趣味
なおさらだと思います
それにしてもバレーの練習の厳しさは傍目にも想像出来ます
柔軟性に満ちた若い頃ならそれも苦にならないかも知れませんが
ある程度 年齢を重ねると体が堅くなる 自分自身 この頃
とみに実感している事ですが どうぞ 御無理をなさらない様にして下さい
発表会も今年出来なければ来年 楽しみが来年に続くと思えば
気持ちの切り替えも出来る事でしょうし それだけまた
楽しみの時間が増えると思えば 諦めもつく事でしょう
何事も陰陽 それこそお得意の禅の極意で
陰を陽に変え 今日という日の今の自分を楽しみながら過ごす
今は静養の時 そう考えて一日も早く元の元気な自分を取り戻して下さい
コメント 有難う御座いました
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