六時前に、これから一杯飲みましょうよ、とキックの友人から電話があった。やけに急だな、と答えたが了解した。会社近くのバーにする。
彼の職業は、置き薬屋さん。3人くらいの仲間と一緒に営業をやっていて、僕と会うと決まって、なんかいい仕事ないですかね、と口癖のように言ってくる。とどのつまり、今の仕事は上手くいっていない。また彼は、子供三人の父親でもある。だから稼がなくてはならない。
その彼の話は、「家を買う時って、データバンクに登録してある会社に勤めているだけで銀行から融資を受けられるって本当ですかね?」と、わけのわからないことを言っていた。
店は、ジャズとブルースの店で客もチラホラと。週に二回くらい、ライブもやるらしい。一時間半くらいでそこを出た。
帰りに、デンマークのパン屋に寄った。彼にチョココロネのパン三個とチーズパンを土産で買って渡した。すると、彼は血相を変えてパン屋の店員さんに尋ねた。
あとで、どうしたの? と訊くと、子供の一人がアレルギーで、パンにエビが少しでも関係してたりすると、途端に体中ジンマシンやらその他の症状が出てきて大変なことになるらしい。
エビアレルギー、初めて知った。