昨日の午後会社を出ようとして、ふと思い出した。そうだ雨だ。エレベーター横の窓際に歩み寄り、ブラインドの隙間から外の様子を見る。濡れた路面が見えた。一応傘を持って出る。
一階に降りてよく見てみると雨はあがっていた。空は僅かに晴れ間も見え始めていた。
荷物になる。傘を置きに戻ろうか?
逡巡した。
いや、後で後悔するかもしれない。雨の中のずぶ濡れになった自分が頭に浮かんだ。やはり、荷物かもしれないが持っていこう。そう決めた。
昼食を摂って、いつものカフェ・シアトルベストに向かった。
あの甘ったるいキャラメルマキアートホットショートを頼む。¥380-、そして一個スタンプを押してもらった。
いつもの愛想のいい女の子ではなかった。少々がっかりした。いや、だいぶ。
一時間くらい粘り、それから図書館に行った。ここには、一時間半いた。相変わらず臭かった。僕が座る前、誰が座っていたんだろう、、、ん? これは何日も風呂に入っていない人の匂いだ。アニキン? と一瞬思ったが、これは彼独特の加齢臭ではないと感じとり、アニキン説を否定した。
会社に戻った。エレベータを降りると、傘たてが目に入った。あ! ……いけね?
思わず井上陽水の曲を口ずさんでいた。
♪都会では………//………傘がない♪