(1)二日前の土曜日のこと。
「決まってるでしょう。濡れてなくちゃ!」
そういうこと言うのはアニキン君しかいない。勘違いしちゃアカンぜよ。!ふむ。
湯船の中にゆったり浸かり、歯を磨きそして小説を読む。これは僕の至福のひととき。しかし時々コックリやることがある。これは実にデンジャラス!! ここでデキシーワルツが流れてきたらもう大変な事態になっている。僕もそうだが、みんなも気を付けて欲しいし!
寒い季節には、まだ温もりの残る浴室で着替える。その日もそうした。右手にバスタオル左手に歯磨きセット、それらを両手に抱え浴室のドアを開けた。温かい湯気がふろ場から逃げていく。……寒い!
右足を踏み出す。
あっ!…………。ツルッ、、、、~~~^^
重心が前方に移動し、体を支えていた右足は完全に用を成さない。行き場を失った右足の重心は、自ずと左足に移る。しかし、左足は足の甲で着地する状態にはなっていない。その位置は、まだほとんどが風呂場にあった。
必死に何かを掴もうとした。それは意識だけで、モノを落とさないようにという律儀な意識が勝っていた。
To be continued.