幼いころに交通事故で母を泣くし、小説家の父(ラッセル・クロウ)と二人きりになったケイティ(カイリー・ロジャース)。だが、その父も事故の後遺症に苦しみながら亡くなる。
ケイテイ(アマンダ・セイフライド)は長じて大学で心理学を学ぶが、過去のトラウマからセックス依存症に陥っている。そんなある日、ケイテイは父のファンだというキャメロンと出会う。
父と娘の“いい話”や絆を描きたかったのだろうが、ケイテイのトラウマの理由をはじめ、全ての登場人物の心理描写があいまいで中途半端なため、何故そうなるのかという疑問が解決されないままの、後味の悪さが残る映画になってしまった。クロウが悩まされる発作も、ホラー映画のワンシーンのようで違和感あり。
さらに、父と娘の思い出となるカーペンターズの名曲「遙かなる影 クロス・トゥ・ユー」も、版権の問題があったらしいが、マイケル・ボルトンに歌わせるぐらいなら別の曲にするべきだった。あの曲は歌い上げるタイプの曲ではない。
あえて見どころを探せば、少女時代のケイテイを演じたロジャースと、大学生のケイテイと交流を持つ少女を演じた、『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』(12)のクヮヴェンジャネ・ウォレスの達者な演技か。編集者役で久しぶりに登場したジェーン・フォンダの健在ぶりにも驚いた。エアロビクスのおかげなのかとても77歳には見えなかった。
さて「遙かなる影 クロス・トゥ・ユー」の映画の中での名唱と言えば、『バックマン家の人々』(88)のリック・モラニス!https://www.youtube.com/watch?v=3PLPOHrwdms