浦安で小さな食堂を営む初老の夫婦(津嘉山正種、松金よね子)。だが、ある日妻が病に倒れる。自分の余命を知った妻は“ある作戦”のために、夫に何本かの映画を見て、感想を述べてほしいと頼む。
映画専門チャンネル「イマジカBS」のPRドラマだが、映画の名場面を、見せるのではなく“語る”ことでその魅力を伝えていくという趣向が新鮮。それぞれの映画に込められた妻の思いがにじみ出る、なかなかいいドラマだった。
登場する映画とキーワードは、
『明日に向って撃て!』…自転車
『スタンド・バイ・ミー』…友達
『ロッキー』…支えとなる人。(吹き替えのエイドリアンの声は松金が担当していたという楽屋落ちも)
『フィールド・オブ・ドリームス』…父と子。(同じくケビン・コスナーの声は津嘉山が担当していた)
『ローマの休日』…旅行
『レオン』…愛の形
『スティング』…俳優
『第三の男』…観覧車
『道』…夫婦、無償の愛
個人的には、学生時代にアルバイトをしていた旧東洋現像所=IMAGICAの試写室で、このドラマを見ることで、当時へのノスタルジーや今は亡き映画の友への感慨が浮かんできて困った。新橋文化の跡地で撮影されたシーンもあった。年のせいか、最近涙腺が緩い。