晩年のクーパー
サルベージ船の船長サンズ(チャールトン・ヘストン)は、嵐の中、火災を起こしている大型船メリー・ディア号を発見する。サンズは大型船に乗り込みが、船内に残っていたのは、船長代理のパッチ(ゲーリー・クーパー)ただ一人だった…。
ハモンド・イネスの海洋サスペンス小説を映画化。前半は嵐の中での船の操縦、中盤は海事裁判、後半は潜水して積荷の秘密を暴く活劇、という三幕構成。
役柄同様、当時の若手のヘストンやリチャード・ハリスに食われ続ける晩年のクーパーを見ていると、何だか哀れになってくるところも…。
MGM製だが、舞台は英国、監督はマイケル・アンダーソン、脚本は『SOSタイタニック』(58)のエリック・アンブラーという英国勢、マイケル・レッドグレーブら、キャストもほぼ英国俳優と、まるでクーパーとヘストンを招いて撮ったイギリス映画みたいな、妙な趣があった。