愛すべき小品とは言えない
悪友3人組(太賀、中村蒼、矢本悠馬)の、高校卒業間近の数日間の“小さな旅”を描いたロードムービー。
愛すべき小品と言いたいところだが、残念ながら、演出、脚本、撮影、音楽の全てが独りよがりで、自主映画やテレビの深夜ドラマを見ているような気にさせられる。
例えば、何を考えているのかよく分からない3人組はもとより、彼らと共に旅をする2人の怪しい女性(佐津川愛美、安部純子)の存在も支離滅裂。唐突に歌われる童謡「ピクニック」も耳には残るが、意味不明…。色々と種はまいたが、それを収穫しないままで終わってしまったのでは、という印象を受ける。
この中途半端で意味のない感じが、まさに彼らの心象風景なのだ、とでも言いたかったのだろうか。いずれにせよ、消化不良の感は否めない。