田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『トム・ホーン』再見

2018-08-26 15:03:17 | 映画いろいろ

 スティーブ・マックィーンが、西部開拓時代の末期に勇名をはせた実在のガンマン、トム・ホーンを演じた西部劇をシネフィルWOWOWで再見。特集「“男が惚れる男” スティーヴ・マックィーン」の一環とのこと。

 この映画はトムの武勇伝はいっさい描かず、ワイオミングの牧場主コーブル(リチャード・ファンズワース)に雇われ、牛泥棒退治を始めたトムの姿を描く。だが、彼を煙たく思った他の牧場主たちの工作によって、少年殺しの罪を着せられ、最後は絞首刑にされるという何とも暗い話になっている。

 公開時は、撮影中、すでにがんに侵されていたというマックィーンのやつれた姿を見せられたばかりでなく、時代に取り残され、全てを失うトムの寂しい心情が、何だかマックィーン自身のそれとも重なる気がして、見終わってつらさしか残らなかった。従って、自分の中では長い間“封印”してきた映画だった。当時は、少しは明るい『ハンター』(80)が遺作になって多少は救われたと思ったものだ。

 ところが、久しぶりに見てみたら、思いのほか悪くないと感じた。それはマックィーンの存在が、もはや生々しいものではなくなってしまったからなのだろう。また『ハンター』を陽、この『トム・ホーン』を陰とすると、どちらも当時のマックィーンの等身大の投影だったのか、という気もしてきた。

 ファンズワースをはじめ、ビリー・グリーン・ブッシュ、スリム・ピケンズ、エリシャ・クック、ジェフリー・ルイスといった脇役たちの姿も懐かしかった。

「All About おすすめ映画」『ハンター』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4457863a43984a43a30d50ef1ae09aa6

「名画投球術」No4.「男もほれるカッコいい男が観たい」スティーブ・マックィーン↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c2d19a8408e75870e3711cd9305ab295

『I AM スティーヴ・マックイーン』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2484ab1dc21520e1bf2ac3356c9fdf8d

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『映画の森』「2018年8月の映画」

2018-08-26 07:37:58 | 映画の森
共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)8月27日号で、
『映画の森』と題したコラムページに「8月の映画」として5本を紹介。
独断と偏見による五つ星満点で評価した。

ラインアップは

ヒーローもつらいよ『インクレディブル・ファミリー』☆☆☆
トム・クルーズのアクションに☆一つ追加『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』☆☆☆☆
メンバーは全て女性の“オーシャンズ”『オーシャンズ8』☆☆☆
ヒットミュージカルの10年ぶりの続編『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』☆☆
伸縮自在のアクションが見どころ『アントマン&ワスプ』☆☆

クリックすると拡大します↓





WEB版はこちら↓
https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2018-08-29_1880924/
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