真っ当な“劇映画”になっている
都内・蒲田近辺で強盗殺人事件が発生。被疑者の一人として、過去の未解決殺人事件の重要参考人・松倉の名が挙がる。事件を担当したベテラン検事の最上(木村拓哉)と新米検事の沖野(二宮和也)は、捜査方針をめぐって対立する。やがて最上と松倉の過去の因縁が明らかになり、沖野は師である最上を「松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないか」と疑い始める。
雫井脩介の原作(タイトルはアガサ・クリスティの『検察側の証人』のもじりか?)を、原田眞人の監督・脚本で映画化。検事の仕事を具体的に見せながら、法の矛盾、時効、罪と罰、善と悪、司法と検察、そして正義を問い掛ける。
原作の大胆な省略、早口のセリフ、テンポの速い展開、けれん味、過去と現在の交錯など、随所に映画的な処理が施され、例えば演劇的な三谷幸喜、ドキュメンタリー的な是枝裕和などの映画とは違い、良くも悪くも真っ当な“劇映画”になっていると感じさせられた。
形は違うが、正義を貫こうとして悪になる姿、復讐の空しさ、ラストシーンに響く叫び声など、原田が尊敬するという、黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』(60)を思わせるところもある。
俳優に目を移すと、キムタクが己のスタイルにこだわり過ぎて苦労している感があるのに対して、二宮には、“ベビーフェース”のマイナスを逆手に取って、プラスに転化させる、いい意味でのしたたかさがある。さすがに『硫黄島からの手紙』(06)でイーストウッド、『母と暮せば』(15)で山田洋次に鍛えられただけのことはあるということか。2人に加えて、闇のブローカー役で怪演を見せた松重豊、刑事役を渋く演じた谷田歩が印象に残った。
【映画コラム】映画俳優・二宮和也の“プラチナデータ”↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/34544
都内・蒲田近辺で強盗殺人事件が発生。被疑者の一人として、過去の未解決殺人事件の重要参考人・松倉の名が挙がる。事件を担当したベテラン検事の最上(木村拓哉)と新米検事の沖野(二宮和也)は、捜査方針をめぐって対立する。やがて最上と松倉の過去の因縁が明らかになり、沖野は師である最上を「松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないか」と疑い始める。
雫井脩介の原作(タイトルはアガサ・クリスティの『検察側の証人』のもじりか?)を、原田眞人の監督・脚本で映画化。検事の仕事を具体的に見せながら、法の矛盾、時効、罪と罰、善と悪、司法と検察、そして正義を問い掛ける。
原作の大胆な省略、早口のセリフ、テンポの速い展開、けれん味、過去と現在の交錯など、随所に映画的な処理が施され、例えば演劇的な三谷幸喜、ドキュメンタリー的な是枝裕和などの映画とは違い、良くも悪くも真っ当な“劇映画”になっていると感じさせられた。
形は違うが、正義を貫こうとして悪になる姿、復讐の空しさ、ラストシーンに響く叫び声など、原田が尊敬するという、黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』(60)を思わせるところもある。
俳優に目を移すと、キムタクが己のスタイルにこだわり過ぎて苦労している感があるのに対して、二宮には、“ベビーフェース”のマイナスを逆手に取って、プラスに転化させる、いい意味でのしたたかさがある。さすがに『硫黄島からの手紙』(06)でイーストウッド、『母と暮せば』(15)で山田洋次に鍛えられただけのことはあるということか。2人に加えて、闇のブローカー役で怪演を見せた松重豊、刑事役を渋く演じた谷田歩が印象に残った。
【映画コラム】映画俳優・二宮和也の“プラチナデータ”↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/34544