『飛べ!フェニックス』(65)(1982.11.11.木曜洋画劇場)
“男の映画”を撮らせたら第一人者であるロバート・アルドリッチの面目躍如の映画。とにかく出てくる面々(ジェームス・スチュワート、リチャード・アッテンボロー、ピーター・フィンチ、ハーディ・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、イアン・バネン、ロナルド・フレーザー、クリスチャン・マルカン、ダン・デュリア、ジョージ・ケネディ)が、ひとクセもふたクセもある連中ばかりで、その顔ぶれを見ているだけでも楽しくなってきてしまうのに、なんとこの連中が飛行機もろとも砂漠の真ん中に置き去りにされてしまう。
もちろん黙っている奴らじゃない。本性やエゴを剥き出しにしてなんとか自分だけは助かろうとする。だが結局は、みんなが力を合わせた時、やっと脱出の道が開けるという皮肉たっぷりの作り方。結局、人間、一人ではなにも出来ないし、生きてはいけないらしい。
フェニックスは日本で言えば不死鳥。だとすれば敢えてこの映画のタイトル(飛行機の名前)にそれを使ったのは、登場人物たちの人生再出発の意味も含まれているのだろう。いずれにせよ、アルドリッチ、男の集団劇にはさすがの冴えをみせる。さてオレも再出発してみますか。