田中雄二の「映画の王様」

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1976年モントリオール『ランニング』

2021-07-25 07:08:54 | 映画いろいろ

『ランニング』(79)(1980.6.13.東劇)

 世渡りの下手なかつてのマラソン・ランナー、マイケル・アンドロポリス(マイケル・ダグラス)が、妻から離婚を請求されたことをきっかけに、新たな自分を見いだすために再び競技に復帰する。やがてマイケルは、モントリオールオリンピックに出場を果たすが…。

 どうしても他のスポーツ映画と見比べてしまうが、そういう見方をやめて、例えば、男の自立映画だと思って見ればいいのかもしれない。

 マイケル・ダグラスは、フランク・ショーターの走法を研究したらしいが、なかなかのはまり役だったし、モントリオールオリンピックの実写フィルムを取り入れたアイデアも面白い。脇では、妻役のスーザン・アンスパックと娘役のジェニファー・マッキニーがうまかった。

 等々、良作ではあるのだが、やはり『マイ・ウェイ』(75)『ロッキー』(76)といったスポーツ映画の影が頭をかすめるのは仕方ないところか。こういう映画は早く作った方が勝ち。

 アンドレ・ガニオンの音楽と、劇中に流れるサイモンとガーファンクルの「早く家へ帰りたい」が印象に残った。

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