田中雄二の「映画の王様」

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『DUNE/デューン 砂の惑星』

2021-10-07 09:10:50 | 新作映画を見てみた

『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021.10.6.ワーナー試写室)

 かつてデビッド・リンチ監督が映画化(84)したフランク・ハーバートのSF小説を、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督が新たに映画化したスペクタクルアドベンチャー。2部作の第1弾で、原作の前半部分のみを描いているが、それでも2時間35分という長尺。

 人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いた西暦1万190年。一つの惑星を一つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)は、通称「デューン」と呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。

 アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地。アトレイデス家は莫大な利益を得るはずだったが、それは皇帝とメランジの採掘権を持つハルコンネン家による罠だった。

 やがて、レト公爵は殺され、側室のジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と息子のポール(ティモシー・シャラメ)も命を狙われることなる。

 最初は、なじみのない名称や固有名詞の羅列に戸惑うが、やがて、ビジュアルの素晴らしさ、独特の質感や色遣い、ハンス・ジマーの音楽、地響きがするような音響効果が相まった世界に圧倒される。リンチはこの壮大なSFとの戦いに敗れたが、ヴィルヌーブは見事にものにした感がある。それもまだ序章に過ぎないのだ。

 『メッセージ』(16)では、日本の菓子の「ばかうけ」もどきの空中を浮遊する物体が話題となったが、今回も浮遊物が目立つ。これはヴィルヌーブの好みなのだろう。それもまた面白い。

 コロナ禍の影響もあり、小粒で渋い映画が目立つ中、久しぶりに映画館で見ることが必須だと感じられる映画が登場したと言っても過言ではない。

『デューン/砂の惑星』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b60e8b752785bcf80f3c3f0ffe1de8ed

【インタビュー】『ブレードランナー2049』ドゥニ・ヴィルヌーブ監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4137d002806f69d6761f8b94925c781a

【ほぼ週刊映画コラム】『メッセージ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5997201e53069adadc08ab9eb4a20b28

『ボーダーライン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/02b648f08fb107024e96dcb7de4d944c

【ほぼ週刊映画コラム】『複製された男』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ce93ed6e64a26fbe3767e38cec0fabf7

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【ほぼ週刊映画コラム】『ONODA 一万夜を越えて』

2021-10-07 07:17:22 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
フランス人監督が描いた“最後の日本兵”の30年間
『ONODA 一万夜を越えて』

詳細はこちら↓
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