すぎやまこういちの死去に際して、「ドラゴンクエスト」シリーズなどのゲームミュージックの作曲家として語られているが、これは、例えば、三國連太郎が亡くなった時に、『釣りバカ日誌』シリーズのスーさんでくくられてしまい、他のすさまじい演技のことがあまり語られなかったのと似ている気がする。
何が言いたいのかといえば、すぎやまは歌謡曲の作曲家として、名付け親でもあったザ・タイガースの「僕のマリー」「シーサイド・バウンド」「モナリザの微笑」「君だけに愛を」「花の首飾り」「銀河のロマンス」、その他「恋のフーガ」(ザ・ピーナッツ)「亜麻色の髪の乙女」(ヴィレッジ・シンガーズ)「学生街の喫茶店」「君の誕生日」(ガロ) といった名曲も作っているということ。ドラマ「帰ってきたウルトラマン」のテーマ曲も忘れ難い。
タイガースの曲は、小学校時代の友人の姉さんが大ファンだったおかげで、遊びに行くと必ずレコードを聞かされたので、今でもよく覚えている。その姉さんはジュリー(沢田研二)ではなく、トッポ(加橋かつみ)のファンだった。
すぎやまが音楽を担当した『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』(68)などの映画もあった。クレイジーキャッツ、ドリフターズの映画とともに、当時のナベプロの威光を示すものだと思う。