田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

実は舞台の人だった渡辺徹

2022-12-03 12:20:54 | 映画いろいろ

 渡辺徹が亡くなった。学年は彼が一つ下になるが、自分とは同い年。それだけに、自分もいつそうなるか分からないという感慨を抱かされた。

 アイドルとして認められ、アイドル(榊原郁恵)を妻にし、その後も、何だか調子のいい人生を送っているように見えて、恵まれない同世代から見れば、うらやましいというか、正直なところ、あまり面白くない存在だった。

 また、俳優というよりは、バラエティや司会者としてのイメージが強かったが、その死に際してちょっと調べてみたら、もともと文学座に所属しているのだから当たり前だが、おびただしい数の舞台に出演しており、実は舞台の人だったのだと気付かされた。

 そのためか、映画への出演は、「太陽にほえろ!」のラガー刑事のイメージの延長線上にあるような『夜明けのランナー』(83・併映は水谷豊主演の『逃れの街』)、吉永小百合が田中絹代を演じた『映画女優』(87での、田中と結婚する清水宏をモデルにした監督役など、極端に少なかった。久しぶりの出演した映画は『リンキング・ラブ』(17)でのタイムスリップするヒロインの父親役だった。

 ドラマでは、大河ドラマ「秀吉」(96)の前田利家役と、「徳川慶喜」(98)での西郷隆盛役が印象に残っている。アイドル時代には、『スター・ウォーズ』(77)のルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)を吹き替えていたこともあったなあ。

『リンキング・ラブ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d1e75b560f3228e42d86448d862f4b2b

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「金曜ロードショー」『天使にラブソングを』

2022-12-03 11:34:07 | ブラウン管の映画館

『天使にラブソングを』(92)

今回はクリスマス映画特集とのこと
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e18d403aa1902cfed9b1d5bce3adef04

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「蒲田パレス座」6『未来元年破壊都市』『宇宙の7人』『アルタード・ステイツ 未知への挑戦』

2022-12-03 06:17:48 | 違いのわかる映画館

 パレス座で3本立て。今回はSF特集(といえば、聞こえはいいが…)。

『未来元年破壊都市』(79)(1981.11.2.)

 以前、『世界が燃えつきる日』(77)という映画を見た時に、核戦争後の地球の描き方の甘さに怒りを覚えた記憶がある。まるでアドベンチャー風のストーリーで、核の恐怖や、核戦争がもたらす悲惨さなどは全く伝わってこなかったからだ。

 残念ながら、この映画にも同様のことが当てはまる。復讐あり、撃ち合いありで、あたかも、SF風の西部劇のようで…。アメリカ人は楽観的といおうか、所詮は映画なのだから、ただ楽しめればいいと思っているようだ。

 核の恐怖が叫ばれてから、いろいろな映画が作られている。古くは『渚にて』(59)や日本の『世界大戦争』(61)、最近では、『猿の惑星』シリーズや前出の『世界が燃えつきる日』、そして日本の『復活の日』(80)…。

 これらの中でも、佳作と呼べるのは、『渚にて』と『世界大戦争』、またアイデアの素晴らしさも含めて、最初の『猿の惑星』(68)ぐらいだろう。ほかのほとんどの作品が楽観的なのに対して、これら3作は絶望的なのだ。

 この絶望こそが、核戦争後の地球の姿だろう。この映画のように全く絶望感がないものは、逆の意味で怖いのである。

 ひょっとしたらアメリカは、核戦争後も、平気で生きていけると思っているのかもしれない。そんな少々大げさな疑問も湧いてくる。そんなわけで、時代遅れ的なものを感じさせる映画だった。

 映画そのものは散々だったが、アーネスト・ボーグナインのほか、いかれた軍曹役のアート・カーニー、略奪者の親方役のアンソニー・ジェームズ(相変わらずの変質者ぶり)など、脇役は面白く、しかも、あのウッディ・ストロードの姿を見た時は思わず感動させられた。随分年は取っていたが、あのスリムなボディは健在だった。彼らを見られただけで良しとしよう。


『宇宙の7人』(80)

 タイトルを見た時から、きっとまた『七人の侍』(54)のパロディ的なものなのだろうという、嫌な予感はしていたが、その予想は見事に当たってしまった。

 よく出来ていれば、「スペースファンタジー版『七人の侍』」とでもなるのだろうが、お世辞にもそんなことは言えない出来だった。多分、半分子ども向けに作られたのだと思うが、『スター・ウォーズ』(77)のようなハチャメチャな面白さも、『未知との遭遇』(77)のような哲学的なメッセージ性もない。

 ただ、七人集めて敵と戦うというパターンに、個々の宇宙船に乗ったキャラクターを当てはめただけで終わってしまっている(『荒野の七人』(60)に出ていたロバート・ボーンが、この映画にも出ているところは面白かった)。

 また、監督がジミー・T・ムラカミという日系人だからか、妙に浪花節的なストーリー展開がある(それ故、日本人には見やすいところもあるのかもしれない)。何と言っても、主人公のカップルを残して、あとはみんな名誉の戦死を遂げるのだから。

 こういう映画を見ると、アメリカもバカな映画をたくさん作っているだなあ、という変な安心感を持たされる。

【今の一言】この映画の製作総指揮はロジャー・コーマン、脚本はジョン・セイルズ、音楽はジェームズ・ホーナー、特撮スタッフの一人にジェームズ・キャメロン…。今では信じられないようなスタッフが作ったのだ。


『アルタード・ステーツ 未知への挑戦』(80)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c67a90d39617af78d6136c4ebe402d9e

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