200万年前に絶滅したはずの巨大ザメ・メガロドン(通称MEG)と、レスキューダイバーのジョナス(ジェイソン・ステイサム)との闘いを描く海洋パニック映画。米中合作のためか、全体にうさんくささが漂うことに加えて、ステイサムよりもリー・ビンビンの方が目立ってしまうという事態が生じている。
監督は『クール・ランニング』(93)『あなたが寝てる間に…』(95)『フェノミナン』(96)など、主に90年代に精彩を放ったジョン・タートルトーブ。最近はニコラス・ケイジのお抱え監督のようになっており、この映画もその延長線上にあるのかなと思う。
なかなか姿を見せないMEG、音響効果による脅かし、MEGの目から見たようなカメラアングル…など、『ジョーズ』(75)の影が満載だが、ここまであからさまにやられるとかえって潔さも感じさせられる。
『ジョーズ』から派生した様々な“サメ映画”では、サメたちは空を飛んだり、ショッピングセンターやスキー場に現れたりもしたが、久しぶりに本道の海に戻ったことになる。ただ、MEGの体長はジョーズの3倍以上、という触れ込みだが、でか過ぎて逆に恐怖が半減するところは計算違いか。
海洋研究所の所員たちによるチープな集団劇に、『トレマーズ』(90)にも似たB級モンスターパニック映画の味わいがある。アメリカのテレビで人気があるというマシ・オカを初めて認識した。