今回のお題は、ロバート・ワイズ監督、ロバート・ミッチャム主演の『月下の銃声』(48)。
ミッチャムが危うい雰囲気を醸すフィルムノワール風の西部劇。
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a894957fd012336970aa4c74033fc2f4
今回のお題は、ロバート・ワイズ監督、ロバート・ミッチャム主演の『月下の銃声』(48)。
ミッチャムが危うい雰囲気を醸すフィルムノワール風の西部劇。
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『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(2023.8.17.東宝東和試写室)
ミュータントガメのミケランジェロ(声:シャモン・ブラウン・Jr)、ドナテロ(マイカ・アビー)、ラファエロ(ブレイディ・ヌーン)、レオナルド(ニコラス・カントゥ)は、不思議な液体「ミュータンジェン」に触れたおかげで今の姿になった。
彼らは、養父でネズミのスプリンター(ジャッキー・チェン)と共に地下で身をひそめるように過ごしているが、中身は人間のティーンエイジャーと変わらない。
そんな彼らの前に、ハエのスーパーフライ(アイス・キューブ)を筆頭としたミュータント軍団が現れる。同じミュータントの仲間がいたことを喜ぶタートルズだったが、スーパーフライ軍団は人間社会を乗っ取るという野望を抱いていた。
ニューヨークを舞台にカメの忍者4人組の活躍を描き、さまざまなメディアで根強い人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を、アメコミタッチの新たなビジュアルで映画化した長編アニメーション。
コメディアンで俳優のセス・ローゲンがプロデューサーを務めた。監督はジェフ・ロウ。
芸術的なデザイン、スケボー、ラップなどのストリートカルチャーを盛り込み、スプリンターの声はジャッキー・チェンが担当するなど、いろいろと見どころはあるのかと思った。
ところが、雑に見えるデザインに最後までなじめず、しかもグロテスクな描写が目立ち、おまけにタートルズがしゃべり過ぎで鼻につく。うーん、これはちょっと困った。
『月下の銃声』(48)
流れ者のカウボーイ、ジム・ギャリー(ロバート・ミッチャム)は、旧友のライリング(ロバート・プレストン)に呼び寄せられ、ガンマンとして雇われる。
ライリングは、かつては牧場主のラフトン(トム・タリー)の下で働いていたが、インディアン居留地の係官と組んでラフトンの牛運びを妨害し、牛を安く買いたたくという陰謀を企んでいた。
ライリングの行動に疑問を感じたギャリーは、入植者のクリス(ウォルター・ブレナン)の息子が犠牲になるのを見て、ラフトン側に寝返る。そして、ラフトンの次女エイミー(バーバラ・ベル・ゲデス)やクリスの協力を得て、ライリング一味と対峙する。
職人監督時代のロバート・ワイズが撮ったフィルムノワール風の西部劇。冒頭の雨、酒場でのギャリーとライリングの殴り合い、ラストの決闘など、夜のシーンが印象に残る。
ミッチャムは、この映画の公開と前後して、マリファナ所持の容疑で逮捕された。これはスターの移籍阻止をめぐる体制側のねつ造で冤罪である事が証明されたが、かえって“バッド・ボーイ”のイメージで人気が出た。
渡り保安官を演じた『街中の拳銃に狙われる男』(55)同様、この映画でも“スリーピングアイ”のミッチャムが、何を考えているのか分からないような危うい雰囲気を醸し出し、それがギャリー役に生かされている。『狩人の夜』(55)や『恐怖の岬』(62)で演じた狂気の男の役は、このイメージを増幅させたものだろう。
相手役のベル・ゲデスは、絶世の美女ではないが、いかにも人柄の良さそうなかわいらしい笑顔が魅力的な女優。『ママの想い出』(48)『めまい』(58)『五つの銅貨』(59)など、いい映画でいい役を演じている。出演作が少なく、ブランクもあるので疑問に思って調べてみたら、どうやら赤狩りに巻き込まれたようだ。もっと見たかったと思わせる女優だけに残念な気がしてならない。
姉役のフィリス・サクスターは、後年『スーパーマン』(78)でクラーク・ケントの母親を演じていた。
「監督ロバート・ワイズのすべて」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/97b79df2b9f20f675ba79a3562bede65
共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
ストレートなボクシング映画『春に散る』
米中合作の海洋パニックアクション『MEG ザ・モンスターズ2』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1401366
共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)7月24日号で、『映画の森』と題したコラムページに「2023年7月の映画」として、5本の映画を紹介。独断と偏見による五つ星満点で評価した。
ハリソン・フォード“最後のインディ・ジョーンズ
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』☆☆☆☆
台湾映画『1秒先の彼女』をリメーク
『1秒先の彼』☆☆☆
ミスマッチの妙で他のホラーとは一線を画す
『Pearl パール』☆☆☆
クロウのけれん味たっぷりの演技が見どころ
『ヴァチカンのエクソシスト』☆☆☆
イーサン・ハントの集大成の物語
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』☆☆☆
クリックで拡大↓
『こんにちは、母さん』(2023.7.26.松竹試写室)
大会社で人事部長を務める神崎昭夫(大泉洋)は、職場では常に神経をすり減らし、家では妻との離婚問題や大学生の娘(永野芽郁)との関係に頭を抱える日々を送っていた。
ある日、母・福江(吉永小百合)が暮らす下町の実家を久々に訪れた昭夫は、母の様子が変化していることに気づく。どうも母は恋をしているようなのだ。
実家にも自分の居場所がないと感じて戸惑う昭夫だったが、隣人たちの温かさや、母との新たな触れ合いを通し、自分が見失っていたものに気づいていく。
山田洋次監督が、永井愛の同名戯曲を映画化。現代の東京・下町に生きる家族と隣人が織りなす人間模様を描く。寺尾聰、宮藤官九郎、田中泯、YOUらが助演。
同じく山田監督と吉永主演の『母べえ』(08)『母と暮せば』(15)に続く「母」3部作の3作目。その中では初の現代劇となった。
家族、老人問題、サラリーマン、ホームレスと、さまざまなテーマを盛り込みながらも、その描き方に時代錯誤が見られ、せりふやギャグの空回りもあるが、90歳を超えた山田監督に時代に対する鋭敏さを求めても仕方がない。
むしろ、そのズレを楽しみ、老齢者から見た今の社会、あるいは理想像という視点で見ると、この映画の魅力が浮かび上がってくる。実際のところ、90歳を超えてこれだけの映画が撮れること自体が驚きに値するのだから。
また、大泉が「吉永小百合から大泉洋は生まれない」とコメントしていたが、ちゃんと親子に見えるところが、“山田演出の妙”といえるのではないかと感じた。大泉によれば「監督自身のお母さんへの思いが反映されている」とのこと。
『シアター・キャンプ』(2023.8.9.ディズニー試写室)
人気演劇スクールで“今夏の”開校目前に校長が倒れて昏睡状態に。演劇に興味のない息子が引き継ぐが、実はスクールは経営破綻寸前。存続のための新作ミュージカル発表に残された時間は3週間。変人ぞろいの教師と子どもたちは劇を完成できるのか?
監督ニック・リーバーマン&モリー・ゴードン、脚本は2人に加えて、ノア・ガルビンと『ディア・エヴァン・ハンセン』(21)のベン・プラット。ゴードンのほかは皆出演もしている。中でもガルビンが全てをさらうようなもうけ役を得ている。サンダンス映画祭でUSドラマチック審査員特別アンサンブルキャスト賞を受賞した。
というアメリカのショウビズ界の若き才能と子役たちによるモキュメント風のミュージカル劇。舞台への愛憎があふれ、いい意味で『フェーム』(80)や『コーラスライン』(85)の小型版、あるいはB級版のような味わいがある。
キャンプは人種、性別、容姿などお構いなしのカオス状態というのが現代風。粗くざらついた画面がかえってドキュメンタリーっぽく見せる効果を発揮している。