徒然草 吉田兼好
第百十七段
友とするに悪きもの、七あり。
一には高くやむごとなき人。
二には、若き人。
三に病なく身強き人。
四には、酒を好む人、
五には、猛く勇める兵。
六には、空言する人。
七には、欲深き人。
良き友、三あり。
一には、物くるる友。
二には、医師。
三には、智惠のある友。
この段は、人それぞれ色々な解釈があると思う。
私も、好きな段かと聞かれれば、決して好きな段ではなかった。
しかし、今、自分が病んで見ると、本質を鋭く突いているのに、感心させられる!
三には、無病で、身体の強い人。と言うのが、兼好らしい。
確かに、元気いっぱいの人は、他人の痛みなど理解出来ないものだ。
良き友の二番目が医師。と言うことは、兼好は身体が弱かったのだろうか?
欲深き人は七番目に悪いと書いたその筆の乾かぬうちに、一番良き友は、物をくれる友だ。とは、流石兼好。ユーモアたっぷりだ。
我々凡人ならば、智惠のある友が一に来そうだ。
やはり、逆から読んで行くのが、筋なのだろうか?
兼好に質問してみたいものだ。