片付けられない人々
愛知県でゴミ屋敷から出火して隣家も全焼とか半焼と言うニュースを聞いて、ご近所の方々が本当に気の毒に思いました。
私も以前そのようなお宅の住民の方とお付き合いしたことがあります。
片付けられない山姥
最初は、我が家の庭のお花が綺麗なので見せて欲しいと言って家に来ました。
町内の子供たちに山姥と呼ばれている白髪の外見を除けば、
話している分には一見普通に見えます‥
90才を超えていると言う年齢の割には、
身体や心に特別に悪い所も無いようにお見かけしました‥…
頂き物のお菓子等を差し上げるととても喜んで、キチンとありがとうとお礼を言って下さいました。
でもゴミ集積所から色々拾い集めて家に持ち帰るのを見ると??と思います。
その方の玄関先に行くと異様な臭いと雰囲気に、息が苦しくなりました‥…
ありとあらゆるガラクタやゴミが足元迄一杯。
一体この家の何処に寝るの??と思いました‥…
コタツに寝ていると言っていました。
子供を10人位産んだと言っていました。
病気や、交通事故等で早く亡くなった子供もいるようです。
戦時中や戦後、物が無くてとても困ったそうです。
そのような苦しかった時代、子供たちに食べさせる為に、寒い思いをさせない為に、彼女はとても苦労したのだと思います。
インドネシア等でも、ゴミの山からまだ使えそうな物を集めている子供たちを見たことがあります。
まだ使えるのにもったいないと思って、家に持ち帰っているのだと思います。
いつか何かに使えそうだと思って取って置くのだと思います。
寒風の下、お腹を空かせて寒さに震えていた子供たちはとうの昔に成長して、六十過ぎのお爺さんお婆さんになっているのだと言うことを彼女は忘れてしまったのだと思います……
四季折々、ふらっと我が家の庭に入り込んで「素敵だ!素敵だ!」と庭の花たちを眺めて
はしゃいでいた彼女もいつの間にか、姿を見かけなくなりました。
山姥と呼ばれていた彼女の住んでいた育ち過ぎた植木達が荒れるままになっていた庭も、
根こそぎ片付けられて、元ゴミ屋敷も外見上は普通の住宅のように見えます。
ゴミ屋敷に住む人々は、やはり何か心の問題を抱えている人々ではないかと思う昨今です。