五月だと言うのに蒸し暑い日フェンネル氏は半ズボンに穿き替えて花の咲いたサボテンの世話をしました。パンプはバナナホームへ行って留守です。こんなときふと懐かしく思うのですが、何気ない毎日の何気ない時間をついこの間までみんなと一緒に過ごしていたはずなのに何時からか特別な時間になってしまったと。水を少ししか取らないサボテンでさえこうやってけなげに生きて狂い咲くこともないのにと。人はどうしたのでしょう。いつしか自然とはなれて人為で生きていると錯覚しているがゆえに狂ってしまうのでしょうか?花を愛でる自然を愛す。心の中にかつてあったと言う美しさからの価値基準忘れてはならないと思いました。
ある日のこと、フェンネル氏が帰ってくると6個あった犬缶が4個きれいに空けられてました。中身はありません。こんなときどのような思考をするかと言うとまだ2個無事でよかったと思うことです。そうすれば、あまり腹立たしく思わず相手に接することができるからです。中身はどこへ行ったかなと探していると「ああ美味しい缶詰だった」と言いながらパンプが台所に入ってきました。「え!」と思って「食べたの」と聞くと「おなか一杯」と言いながらお皿なんか拭いてます。アボとガドを見てみると2匹ともキャンてな顔をしていました。いまだにこのことは謎なのですけど中身はないのです。そのうちパンプの耳は立つんではないかとフェンネル氏は思いました。