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親の代から引き継いだ山菜料理店を営む人の話し。先代からすると60年近く、近くの山や野で山菜を自らが採り、料理しているという。なじみの客や遠方からの来店も多いそうで賑わっている。その方はどこにどんなん山菜が育っているかは、長い経験からよくわかっている。だがその採り方に頷いた。
山菜のある場所に立ち入るとき、周りの小さな雑木や雑草を踏み倒したりしない様に気を配られる。これは話にはなかったが映像を見ていてそう感じた。採り終わった後に必ず数本や数個は残しておくという。こうすることで翌年もその場所に新しく育つ芽になるという。けっして採りつくさないことが自然への礼儀、そう受けとった。
こんな話を聞いてしばらく過ぎた。筍のうちに処理でず、根元が20㌢ほどになった斜面の孟宗竹を切ることになった。竹にはなっていないが苦労して処理した。その時、誰かが筍を掘った跡が残っている。2本掘っているが、掘り方が下手で大きな穴を残している。こうした穴から雨水は浸透し思わぬ災害になる。子どものころ「掘った跡は必ず埋め戻す」ことを教わっていた。
猪だけでなく筍を盗る人間様もいるようだ。たとえ盗んだとしても盗んだ跡くらい隠せばいいのに、そう思いながら参考になった話を思い出しながら埋め戻しておいた。山菜の生えている周囲を痛めることなく採り、数本は残す、来春からは山菜取りのマナーとしよう。
(今日の575) あげるほど採るのは止めよ山菜を