知の巨人と言われる立花 隆氏は自分史についてこんなことを言っている。「単なるプライベートな身辺雑記的自分史でなく、同時代史の流れの中に、自分を置いてみる。平均寿命は世界一、定年を人生の中間点くらいに考え、セカンドステージへの出発点地点とする。自分という人間と、自分が生きた時代、というものが不即不離の関係にあることをなにかにつけて認識する」。
現在、定年を無事迎えた高齢者の多くは、産学官連携で高度成長に関わる時代に日本産業の発展に尽くして来たことを口には出さないが、自負心を持っている。その時代背景、そこでの自身の働き方や自分の生き方、人生などを書き残す、これが不即不離の姿ではなかろうか。
そんな自分史を書き、それを1冊の本にしよう、という講座案内が中央公民館に掲示されている。案内には「誰でも一生に一冊の本を作ることができるといいます。それが自分史です。『自分の過去を検証し、これからの生き方を探る手段』ともいえます。そんな自分史を、あなたも作ってみませんか」と呼びかけている。
絵画、短歌、川柳、書道、生け花、陶芸等など公民館掲示板では何十もの会が参加を呼びかけている。そんななかで、本を作ろうというのは初めてと思う。自分だけの1冊、それも自分史となれば貴重な史料となる。書く途中で思わぬ発見があるかもしれない、自分の力を再認識するかもしれない、そんな夢と期待が持てる。
ポスターの掲示位置が見えずらい感じなのが心配です。