2013年1月は、
『忘却のキス』の稽古で始まった。
今回の仕事で、はじめてご一緒するスタッフ陣もそろい、
緊張感のある稽古初日だった。
別にほかの劇団のことを詳しく知っているわけでもないのだが、
東京演劇アンサンブルは、
若い俳優に、とても早く一度はチャンスが訪れる。
もちろんまんべんなく、公平に、というわけではない。
それでもやはり、
俳優にとってチャンスのある劇団だな、と思う。
そのチャンスをものにできるかどうか、
それが、
また次のチャンスを呼び込むことになる。
男も、女も。
キャスティングが発表されるとき、
その、きらりと光る配役を見つけると、
嬉しくなってしまう。
今回は、ともこの抜擢は、まさに光キャスティングであり、
彼女にとっての大きなチャンスとなる。
ボートー・シュトラウスの、
なかなか一筋縄ではいかないこのテキストを、
演出の公家義徳は、力強いスタッフ陣を集め、
奥行きのある舞台にしていこうと試みている。
この作品に描かれている、
年上の男と、若い女の愛の物語…。
やはり、
この女が魅力的であればあるほど、
作品が魅力的になるといっても過言ではない。
いつも稽古場に一番に来ていて、
掃除をしたり、
お茶場の用意をしたり、
そんなことが自然にできてしまう。
普段はシャイで、
なかなか言葉にしないことも多いのだが、
いざ、言葉にするときの思い切りの良さは、
思わず、ずっと眺めていたいと思うほど、きっぱりしている。
時にその切れ味の良さで、自分も切り裂いてしまうという、
不器用さも、若いから、というだけではないだろう。
まだまだ奥行きのある彼女の魅力が、
たくさん舞台からあふれてくれば良いな、と思う。
研究生公演『桜の園』で存在感を示していたともこ。
研究生のソングの発表会で、
とっても魅力的だったともこ。
女優として舞台にいる、彼女が新たなヒロインとして、
芝居小屋の空間に存在することを、
とっても期待している。
右も左も先輩ばかり。
でも、
物おじなんかしなくて良い。
鮮やかなヒロインのデビューに、どうかご期待くださいませ!!
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東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-
作 ボートー・シュトラウス
訳 大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭
2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)
3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時
前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円
★=4日・5日=Low Price Day = 2500円
☆アフタートークあります。
詳細はwebにて
【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm