“飯作ったり、色ぬったり”の照明家ちーちゃんからバトン受け取りました。
そうなんです23日は私の誕生日、私、実は無かったことにしたいのです。
『行ったり来たり』で私の演じる総理大臣は、揉め事嫌いで、全部無かったことにしたいのです。
物凄い近眼で、眼鏡壊しちゃって何にも見えないなんて言いながら、何も現実を、真実を見ようとしないのです。
国境もない、違いもない、紛争もない、みんな見ないふりして、戦争も、爆撃も、その原因も見えないのです。
そんな総理大臣が、そこに生きる人々のために何ができるでしょう。
一人一人の人間の違いの境界線を認めることが、平和、共生の始まりであることを発見するには、どんな眼鏡が必要なのでしょうか?
ありのままを見る、細部に宿る真実を、人間の心を見る、それが俳優の演技だ…「ディテエルを生きる」…ブレヒトの芝居小屋で、演出家広渡常敏が、私たちに求め続けたことを思い出して、毎日の稽古場で起きることを見ています。
自由とはあるものではない創り出すことなのだ。状況との、他者との共生の中にある現実の問題を何もなかったことにしても、自由な世界は実現しない。俳優も、自由に舞台で生きることは自ら獲得していくしかない。
状況の発見、ポジションの発見をすることで、具体的に俳優は舞台に存在し、たった一つのその瞬間の真実の動きをうみだす。
1938年に、亡命中パリで事故死してしまった37歳のホルヴァートは、既に沢山の戯曲を書いていた。
そのエネルギーは、人間への愛と、その愚かさを諧謔に満ちた表現で示すことに燃えている。
同時代のブレヒトは自身の国から亡命して、ナチスと戦うことかできる人間の知性に呼びかける芝居を書いたが、第二次大戦後帰国した東独の国家になっても、死ぬか生きるかを“行ったり来たり”した。
理想と独裁との間を。
今毎日、ガザやウクライナで、爆撃された家や、その街で生活する人たちの映像を見ながら、「何故」と思い続ける。戦争は長い歴史の中で、どれだけ行ったり来たりしてきたか?
私は2月24日稽古場から抜け出して『ガザモノローグ』のリーディングに参加する。
2023年9月に書かれた俳優アリ・アブ・ヤスィーンのレポートを読む。ガザで今起きていることを知ってほしいと、俳優たちが世界にリーディングを呼びかけた。それに応えた企画として、いろいろなグループで芝居をしている俳優が集まった。
国境を変えようと戦争が仕掛けられる。そこに住む人たちが、爆撃され、死んでいく。そのニュースの映像は、毎日更に激しく続く。
『行ったり来たり』の稽古の日々で、今世界で起こっていることを“見たり考えたり”している。
『ワタシタチハニンゲンダ!』の映画会は23日。野火止RAUMが、地域の人たちの演劇との、世界との出会いの場所になりますように。
歩いて通ったことのある国境を思い出す。
モルドバからルーマニアへ、イギリスからアイルランド、ジョージアからアルメニアからアゼルバイジャン。
平和の時でも、のどかな田園風景の先にある国境、そして長い廊下のような空白地帯。
板門店の北と南の別れの地帯。
壁に隔てられたベルリンの西から東へ入ったこと…
すべての国境は、長い歴史でどのように行ったり来たりしてきたか…思いを馳せて…
『行ったり来たり』ご連絡お待ちしてます。そして次の26日には、恋する娘エーファの福井奏美さんにバトンを渡します。お楽しみに。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
東京演劇アンサンブル創立70周年記念公演 第一弾
行ったり来たり
エデン・フォン・ホルヴァート/作
大塚直/訳・ドラマトゥルク
公家義徳/演出
2024
3/23 (土) 14:00★
3/24 (日) 14:00★
野火止RAUM
3/28 (木) 19:00
3/29 (金) 14:00/19:00
3/30 (土) 14:00/19:00★
3/31 (日) 14:00
すみだパークシアター倉
全席自由
前売一般/4,300円
前売U30/3,300円
★=Low Price Day/3,000円
当日/4,800円
Staff
音楽/monje
舞台美術/公家義徳
衣裳/稲村朋子
照明/真壁知恵子
音響/島猛
舞台監督/永濱渉
宣伝美術/本多敬 永野愛理
制作/小森明子 太田昭
Cast
ハヴリチェク/永野愛理
サメク/洪美玉
エーファ/福井奏美
コンスタンティン/雨宮大夢
ムルシツカ/浅井純彦
ハヌシュ夫人/西井裕美(フリー)
X/原口久美子
Y/志賀澤子
個人教育者/二宮聡(フリー)
その妻/鈴木貴絵
レーダ夫人/町田聡子
シュムッグリチンスキー/小田勇輔
公演詳細、チケットのお申し込みはHPにて
そうなんです23日は私の誕生日、私、実は無かったことにしたいのです。
『行ったり来たり』で私の演じる総理大臣は、揉め事嫌いで、全部無かったことにしたいのです。
物凄い近眼で、眼鏡壊しちゃって何にも見えないなんて言いながら、何も現実を、真実を見ようとしないのです。
国境もない、違いもない、紛争もない、みんな見ないふりして、戦争も、爆撃も、その原因も見えないのです。
そんな総理大臣が、そこに生きる人々のために何ができるでしょう。
一人一人の人間の違いの境界線を認めることが、平和、共生の始まりであることを発見するには、どんな眼鏡が必要なのでしょうか?
ありのままを見る、細部に宿る真実を、人間の心を見る、それが俳優の演技だ…「ディテエルを生きる」…ブレヒトの芝居小屋で、演出家広渡常敏が、私たちに求め続けたことを思い出して、毎日の稽古場で起きることを見ています。
自由とはあるものではない創り出すことなのだ。状況との、他者との共生の中にある現実の問題を何もなかったことにしても、自由な世界は実現しない。俳優も、自由に舞台で生きることは自ら獲得していくしかない。
状況の発見、ポジションの発見をすることで、具体的に俳優は舞台に存在し、たった一つのその瞬間の真実の動きをうみだす。
1938年に、亡命中パリで事故死してしまった37歳のホルヴァートは、既に沢山の戯曲を書いていた。
そのエネルギーは、人間への愛と、その愚かさを諧謔に満ちた表現で示すことに燃えている。
同時代のブレヒトは自身の国から亡命して、ナチスと戦うことかできる人間の知性に呼びかける芝居を書いたが、第二次大戦後帰国した東独の国家になっても、死ぬか生きるかを“行ったり来たり”した。
理想と独裁との間を。
今毎日、ガザやウクライナで、爆撃された家や、その街で生活する人たちの映像を見ながら、「何故」と思い続ける。戦争は長い歴史の中で、どれだけ行ったり来たりしてきたか?
私は2月24日稽古場から抜け出して『ガザモノローグ』のリーディングに参加する。
2023年9月に書かれた俳優アリ・アブ・ヤスィーンのレポートを読む。ガザで今起きていることを知ってほしいと、俳優たちが世界にリーディングを呼びかけた。それに応えた企画として、いろいろなグループで芝居をしている俳優が集まった。
国境を変えようと戦争が仕掛けられる。そこに住む人たちが、爆撃され、死んでいく。そのニュースの映像は、毎日更に激しく続く。
『行ったり来たり』の稽古の日々で、今世界で起こっていることを“見たり考えたり”している。
『ワタシタチハニンゲンダ!』の映画会は23日。野火止RAUMが、地域の人たちの演劇との、世界との出会いの場所になりますように。
歩いて通ったことのある国境を思い出す。
モルドバからルーマニアへ、イギリスからアイルランド、ジョージアからアルメニアからアゼルバイジャン。
平和の時でも、のどかな田園風景の先にある国境、そして長い廊下のような空白地帯。
板門店の北と南の別れの地帯。
壁に隔てられたベルリンの西から東へ入ったこと…
すべての国境は、長い歴史でどのように行ったり来たりしてきたか…思いを馳せて…
『行ったり来たり』ご連絡お待ちしてます。そして次の26日には、恋する娘エーファの福井奏美さんにバトンを渡します。お楽しみに。
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東京演劇アンサンブル創立70周年記念公演 第一弾
行ったり来たり
エデン・フォン・ホルヴァート/作
大塚直/訳・ドラマトゥルク
公家義徳/演出
2024
3/23 (土) 14:00★
3/24 (日) 14:00★
野火止RAUM
3/28 (木) 19:00
3/29 (金) 14:00/19:00
3/30 (土) 14:00/19:00★
3/31 (日) 14:00
すみだパークシアター倉
全席自由
前売一般/4,300円
前売U30/3,300円
★=Low Price Day/3,000円
当日/4,800円
Staff
音楽/monje
舞台美術/公家義徳
衣裳/稲村朋子
照明/真壁知恵子
音響/島猛
舞台監督/永濱渉
宣伝美術/本多敬 永野愛理
制作/小森明子 太田昭
Cast
ハヴリチェク/永野愛理
サメク/洪美玉
エーファ/福井奏美
コンスタンティン/雨宮大夢
ムルシツカ/浅井純彦
ハヌシュ夫人/西井裕美(フリー)
X/原口久美子
Y/志賀澤子
個人教育者/二宮聡(フリー)
その妻/鈴木貴絵
レーダ夫人/町田聡子
シュムッグリチンスキー/小田勇輔
公演詳細、チケットのお申し込みはHPにて
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