鳥取市賀露町北、日本海が一望できる丘陵に鎮座される「賀露(かろ)神社」。御祭神は『大山祗命・吉備真備公・猿田彦命・木花咲耶姫命・武甕槌命』。賀露の高台にある広い駐車場、境内に面して建つのは三の鳥居。
国道沿いに面して建つ一の鳥居からの参道はとても急で長い石段。で、ご亭主殿一人で鳥居の写真を撮るべく二の鳥居まで下る事に。鳥居には「紀元二千六百年(1940)」「芳包刻」の刻。
石段から見る賀露港の光景。写真で見る海はとてもおだやか。真下に見える鳥居の位置は・・・物凄~~く既視感(((((^_^;)
長い石段先の「隋神門」は、宝暦12年(1762) 藩の寄進により建立。藩主池田氏の「揚羽(あげは)紋」が刻まれていたと知ったのは帰宅後の話(^^;)
ガラス戸が設けられており、内には出雲丹後系の狛犬さんがいて、写真に残せたのは吽形さんだけ。それでも良いお顔だったと話してくれました。
随身門の天井絵は極彩色の「龍」。
江戸時代には歴代藩主である池田氏の祈祷所としてあつい保護をうけ、社殿や社領など多くの寄進を受けました。藩主が船遊びをされた際には必ず当神社へお参りになられたといわれ、また参勤交代の折にも必ず参拝をしたと云われています。
参道正面には拝殿。社殿にかかる「賀露神社」の扁額は、15代将軍徳川慶喜の実兄『池田慶徳』の自筆と知ったのもやはり帰宅後の事。
拝殿左右には多くの石灯籠があり、2対の狛犬さんと一対の虎象さんが神域を守護されています。
手前より出雲丹後系の狛犬さん一対。大きく開けた阿形さんの口はすでに剥落が始まっています。来待石の特性と言ってしまえばそれまでですが、まだ今なら・・と思うのは素人考えなのでしょうか。
「(吽)お前さぁ・・もう少し口を閉じてたら、そんなに酷くならなかったんじゃねぇか?」 「(阿)そんな事言ったって、元からこうなんだから仕方ねぇべ」
そんなおしゃべりに聞き耳を立ててしまうのは、インベーダを想起させる出雲丹後型狛犬さん一対。阿形さんのつんと尖っていた筈のお鼻にも僅かずつですが剥離が見られますます。そっくり返るように天を仰ぐ吽形さん・・何を思うのか。
「(吽)お前ってさぁ、あいつらみたいに大口開けてたことないよなぁ・・」「(阿)・・ないよ・・・ (-。-)ボソッ」
拝殿前左右より神域を守護されるのは、花崗岩製の虎像さん一対。台座に刻まれた奉納者『秋本岩蔵』は、かって賀露から朝鮮半島に渡ったという人物。彼の地では「虎」は神聖な動物とされていた為、鳥取の石工に頼んで奉納したものと思われます。台座には「大変珍しい虎の狛犬です」のプレート。虎なのにやっぱり犬なんだ・・・(^^;)
「(阿)なぁ、吽よぉ。俺ら 狛犬って言われてるんだぜ。お前どう思うよ?」「(吽)へっ、好きなように呼ばしときゃいいさ。何と呼ぼうが虎に違ぇねぇんだからよ」
「大正十一年(1922)壱月」「鳥取 前田石工所作」の刻。後姿がハッキリ!きっぱり「虎」であると主張しています(笑)
境内社「船玉神社」&「水戸神社」明日に続きます。
参拝日:2012年4月17日