福島市上名倉大石前、荒川の流れに沿うように展開される「福島市民家園」。地域に伝承されてきた生活遺産を大切に保護し活用するための文化財保存施設:および教育施設として、昭和57年8月「あづま総合運動公園」内に開園。
敷地約11万㎡の園内には江戸時代中期から明治時代にかけての県北地方の民家を中心に、芝居小屋、商人宿、料亭、板倉、会津地方の民家等が移築復原されています。広い敷地内と限られた時間、全部を網羅は出来ませんでしたが、とても濃い時間体験をする事が出来ました。
入り口横の展示館には、生活・生産用具・祭祀に関連する品々を展示。当時の環境や生活の様子などを再現しています。
試着ならぬ試担ぎ。背負ってる私より、背負われてるカゴの方が大きい、大きいけれど、これでは何にも入れられない🥶
屋敷神
「火伏の儀式 棟上げ式は家の永続と繁栄を祈る儀式であり、大工の棟梁の指揮で行う。棟に飾る矢羽は災害から守る魔除け。扇は幸福を招く。五色の吹き流しは祭神を表現。まき餅に大根の輪切りを混ぜるのは「棟上げの餅は火で焼くな」といい、胸(棟)が焼けないように祈る為である」
四方に建てられた竹笹に巡らされた注連縄の結界。この風景が何を表す物だったのか、説明を残し忘れてしまって不明ですが、印象に残る展示でした。
「橋銭小屋」は川にかけられた橋の出費を補うために、通行人から「橋銭」を徴収した小屋番用の小屋。橋銭が五厘であったために、五厘橋(ごりんばし)と呼ばれていました。
県指定重要文化財「旧奈良輪家」、江戸時代中期、福島市街の南郊に建っていた上層農民(村階層)の住居と思われます。
土間がかなり広く、奥には一部屋の「座敷」があることが特色。また、側面と背面は厚い土塗りの大壁で、内部は暗く閉ざされており、開口部が閉鎖的であることなど、古い民家の要素を持っています。「御亭主殿、そこに座ってても、全然違和感ないのがスゴイ😅」
旧奈良輪家の前にある「車井戸」。桶を網でしばり車を通して水を汲みあげる仕組みで、「つるべ」という名は「瓶を釣って」水を汲む事から「釣る瓶」と言います。・・・「ホンマ・・違和感ないなぁ😓」
県指定重要文化財「旧菅野家」。建築年代は旧奈良輪家より少し遅れた江戸時代中期に建てられた、福島市の一般的な農家住居。
「土間」の広さ、正面を除く大壁造り、「座敷」「納戸」の境の閉鎖形式など、県北地方の古い形式をよく伝えています。
県指定重要文化財「旧阿部家」。江戸時代中期に建てられた、福島市の普通農家住居です。ここでは日常生活の中心となる「中の間」が、床板を張らない「土座」であることが特色。軒も低く、開口部が少なく南側を除く三面は厚い土壁でおおわれた大壁造りになっています。
屋敷の一隅、特に鬼門(北東隅)に、石や木、わら屋根の祠があり、屋敷の守護神となる氏神や先祖の神、特に信仰する神の分霊が祀られていました。
そう言えば展示館にも、当時の背景写真と一緒に、同じような石祠が祀られています。
筒状の藁苞の中に納められているのはどのような神様でしょう?拡大すると「考える人」のような仕草で、自然石なら驚きの造形です。
🌸🍀興味深い建物、そこに根ざした風土の数々・・・続きは明日に。
訪問日:2016年6月24日
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