松本市島立、静かな田園地帯の一画に、江戸時代後期から昭和時代までの歴史的建造物を集めた「たてもの野外博物館:松本市歴史の里」があります。
広い駐車場の片隅に祀られたささやかな祠、神域は塵一つなく、穏やかな空気で満たされています。
私たちを出迎えてくれるのは「旧長野地方裁判所松本支部庁舎」。明治41年(1908)、松本城二の丸御殿跡に建てられていましたが、昭和52年の庁舎新築に伴って取り壊しとなるところ、それを惜しむ市民運動により昭和57年に当地へ移築復元。
中庭に咲き誇る満開の桜、空の青さと相まって泣きだしたい程の美しさ。
建物は明治後期の区裁判所庁舎の典型的な特徴をよく示しており、全国で数多く建てられた和風裁判所建築の中でも最も完成度が高く、また、内部外部ともに完全な形で残る国内唯一の和風裁判所として 2017年11月に国の重要文化財に指定。
「木造、桟瓦葺一部鉄板葺。両端に翼部を付けた左右対称の立面で,中央に車寄を構え,全体を和風意匠でまとめる。平面はH字形で,南翼部に支部訟廷,北翼部に区訟廷などを配する。訟廷には被告人,弁護士等のための出入口を設けて判事との動線を明確に分け,訟廷内部では判事席とそれ以外の部分の床に段差を設けるなど,明治後期の区裁判所庁舎の典型的な特徴をよく示す。」文化遺産オンラインより
判事室
ガラスケース内には長野県下で当時使われていた法律書と「大審院長 池田 寅二郎書 神清智明」(しんせいちみよう)」の額。
判事や検察官になりきりたい貴方。そう、そこの貴方 😊 。この法服を羽織るだけで貴方も私も大法廷の登場人物になれます。
打ち合わせの終わった会議室。さて・・・今日の裁判もこれが最後の一件。出来れば問題なく終わらせたいものだ。
ではこれより、被告人『ネコニメロメロ』の審理を開始します。検察官は被告人の罪状について述べて下さい。
はい、裁判長。彼は生まれたばかりの小さな命の愛らしさに目がくらみ、無抵抗な母親の胸の中からまだ乳飲み子の子猫を奪い取ったのです!!これは決して許されるべき行いではありません!!よって検察は被告に子猫の僕となる罰を求刑します!😠
こうして被告人は明治憲法下の下に裁かれ、正義は果たされたのです!なんちゃって😆 二人そろって本当にノリ良すぎ 😅
検事局の室内には「捕物道具展示コーナー」があり、室町時代から明治初期までに実際に使われた十手や捕縄、呼子笛などが展示されています。
「鉄刀型十手:室町時代」
記念スタンプは御用提灯と房付き十手
「旧松本少年刑務所独居舎房」は、昭和28年(1953)に松本市桐に建てられ、1990年まで使用された独居房棟の一部。創建当初の板張りの部屋と、昭和50年代に改善された畳敷きの部屋が復元されています。
まだまだ見所沢山の「松本市歴史の里」。続きは~Ⅱ~で
訪問日:2016年4月22日
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