奈良市般若寺町にある「奈良少年刑務所」。明治41年(1908)の竣工当時は「奈良監獄」と呼ばれていました。設計は『山下啓次郎』。調べてみると文化財指定の「旧鹿児島監獄」「旧長崎監獄」「旧千葉監獄」などを手がけた人物で、そのいずれの建物も、語弊を恐れずに言えば非常に美しいデザインとなっています。
ロマネスク調様式の煉瓦造り表門は、ややもすれば御伽噺に登場する異国の城門にも見えて、固く閉ざされた鉄柵がなければ本来の用途を忘れそうになります。
監獄と言う言葉からは想像できないこの美しい建物は、設計者であった山下啓次郎の「罪人を懲らしめるための暗くて冷たい監獄」ではなく、「罪を深く悔いて再出発をするための希望の場所」でありたいと考えた事に起因すると言います。
黎明期の日本、罪を犯す者もまた、止むに止まれぬ暗い事情があったのだろう・・この美しい建物は、行き場を失った罪びとの家たりえたのかもしれない。 ただし!人の命を玩具の如く弄ぶ者、己の身勝手な主張で他者の命を殺める者、それを英雄だと称賛する輩に対しては、永遠に地獄の業火で焼かれれば良いと思います!
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奈良市北魚屋東町にある「国立:奈良女子大学」。ここに、明治42年(1909)に竣工された「旧奈良女子高等師範学校:本館」が「奈良女子大学記念館」として残されています。
旧本館は大学本部と講堂として使用されていましたが、昭和55年(1980)に本部管理棟が、昭和58年に講堂が新築されたため、1994年2月から10ヶ月をかけて改修工事を行い「奈良女子大学記念館」として保存。同年12月27日に守衛室(附 正門)とともに国の重要文化財に指定されました。
一階は展示室、二階は講堂として学内活動で使用されるとともに、春と秋の期間限定で広く一般に公開されているとの事。時期が合えば是非とも内部を見学したいと願いながら・・14年近い歳月が過ぎてしまいました。
春日の山にいずる日の 曇らぬひかり仰ぎつつ
かざせや心の花さくら つめよまことの教え草
みなもと清き佐保川の みぎわの柳うちはえて
古きをたずね新しき 道にすすめやひとすじに
〔校歌〕大正6年:『貞明皇后』より下賜された御歌より
順番から言えば逆になってしまいましたが、大学敷地の東辺に面して建つ正門。門柱や照明器具の意匠とアクセントの赤が何ともいえない可愛さ。
その正門入ってすぐ右側の守衛室が、これまたおとぎの国の建物のような雰囲気。まさにハイカラさんの時代を髣髴させて思わず笑顔に(⌒∇⌒)
奈良市内の名勝旧跡巡りは、まだバイクタンデムが身体的に余裕だった頃の日帰り旅の思い出などを綴ってみます。市内には歴史的にも価値の高い建物が数多く存在していますが、車だと駐車場を探すのに一苦労。でもバイクだと小回りもきくし、すぐ側まで行けるし本当に楽だったのです。
訪問日:2009年10月18日
こういうコンセプトが認められる明治初期は
精神が豊かだったのかもしれませんね。
今の日本は明治期よりはるかにGDPも技術力も
増したはずですが、
こういうゆとりある建築構想が認められるような気がしません😓
>人の命を玩具の如く弄ぶ者、己の身勝手な主張で他者の命を殺める者、それを英雄だと称賛する輩に対しては、永遠に地獄の業火で焼かれれば良いと思います!
同感です!
とくに、3番目のものたちの存在が私は心配です。
日本の心が貧しくなっていっているように思います。
話したいことは山とあるのですが、できるだけ省略して書きますと、
「愛」を培う教育がされてないのだと思います。
ゆゆしきことです。
奈良女子大の校歌は皇后陛下からの下賜なのですか・・!
素晴らしいですね😊
奈良は歴史あるものが多いですね。
tibinekoさんのご案内が楽しみです。
>永遠に地獄の業火で
のくだりで思ったのですが、
私、tibinekoさんの、こういう激しいところ、好きです。
文章からみるtibinekoさんは、古風な美しい心を持ちながらも、きっぱりとした激しさを見せることもためらわず、
前世はお武家の子女だったのかもしれません??
(前世、というものがあるとしたら😊)
明日も良い日をお過ごしくださいね🌸
多分、奈良に限らず日本は本当の意味で日本であったように思います。
決して豊かでは無かった暮らしの中で
日本が世界に羽ばたくために最も必要なものが何かを、誰もが知っていた。
長野・静岡・岡山・山口・福島・山形・・・
各地に残された旧制時代の学校建築を見る時
胸にこみあげるものを感じます。
そして・・それでもはみ出さなければ生きてゆけなかった人たちの存在に対してさえ
このような場所を用意する懐の深さ
バカみたいですが、こうした建物を見るたびに熱いものがこみ上げてしまいます。
いつも優しい、そして美しいコメント有難うございます。
こちらは現在外気温七度(-"-)
今だにエアコンがフル稼働中です。
私、tibinekoさんの、こういう激しいところ、好きです。
前世はお武家の子女だったのかもしれません?
まかろんさんの名言と、tibinekoさんの名答を楽しませていただきました。
前世は多分・・猫
でもって・・・
私、真面目に
きっと前世は猫だったに違いないと思っているのです。
異様なほどの猫好きも前世のなせる業かと・・