上郡町竹万字宮ノ後に鎮座される「竹万(ちくま )大避神社」。主祭神は『秦河勝(はた の かわかつ)』
由緒「創立年月不詳 坂越村県社大避神社の分霊を勧請創立せし神社なり。長船越中守、山野里駒山城に居住の際、筑摩村(竹万村)に小田、吉田、内海、片島と云える人越中守と隙を生じ苔縄村高見治部なる浪人を頼り当社に祈願して白昼駒山城に火を放ち之を陥れて報賽のため祭資を寄せて大祭典を執行すと伝う。 元禄3年(1690)社殿大破に及びたるを以て時の領主浅野氏再建の挙ありて9月に成就す。明治7年(1874)2月村社に列せらる。」兵庫神社庁HPより
気持ちの良い空気の中、掃き清められた参道真っ直ぐに、緑の木々を背景に唐破風の拝殿。
拝殿前左右より神域を守護されるのは、彫りの浅いエキゾチックな顔立ちの狛犬さん一対。この時は日差しが強すぎて、どの狛犬さんの画像も影が入って真っ黒。なので、ちょっとイヌっぽい表情が今ひとつ伝えられません。
唐破風拝殿の屋根から下界を見下ろす飾瓦の龍。その存在感をさらに強調するかのように、空に突き刺さるように鋭く尖るウロコ。
魔を追い払うとされる鬼。その顔はいわゆる「悪しきもの」ではなく、大切なものを命がけで守る存在を示しています。
大避神社の神紋である「八本矢車」につき従うように立つ留蓋の獅子。阿吽いずれも俊敏な風格で中々頼もしい存在。
境内の一画に鎮座される境内社。鳥居には「三宝堂神・天満宮」の拝殿額が架かり、小規模ですが綺麗に整えられた社が鎮座されています。
鳥居の内より神域を守護されるのは丹後系の狛犬さん一対。仔狛を連れた阿形さんの顔は剥落が進み、その表情はわかりません。
来待石という材質ゆえに仕方のない事ですが、それでも大きな鞠を抱えて真っ直ぐに前を睨む子狛さんは、顔も体も綺麗に残っていました。
最後はちょっとした遊び心が楽しい手水鉢の亀。亀は水のものであり、そこから火難防止の呪い的存在として色んな場所に登場します。手水鉢に浮き彫りにした亀、素材が石である事を考えると凄い技です。
赤穂の坂越に鎮座される「大避神社」を本社として、千種川流域にのみ存在するという幾つかの「大避神社」「大避宮」。たまたま巡り合わせた「大避神社」ですが、『秦河勝』に関しては『聖徳太子』との関わりも含め、実に多くの謎が秘められていると云われています。そんな謎の存在を知る事も神社巡りの楽しさの一つなのかもしれません。
参拝日:2010年8月8日
屋根の上の神獣は、主としてご亭主殿が担当していました。
onecat様の言葉を伝えましたところ
本当に喜んでおりました。
罹患して後、何故か被写体を的確に捉えられなくなり、カメラを持つ事も無くなってしまった主人。
onecat様の書き込みに喜ぶ顔は、私にとって何よりの贈り物です。
飾瓦の龍、鬼、獅子、どれも躍動感があり圧巻ですが、よくこのような映像が撮れましたね。
「その顔はいわゆる「悪しきもの」ではなく、大切なものを命がけで守る存在を示しています。」
そう思ってみますと、いっそう親しみを覚えます。