藩政期史料には「大橋」と表記されることが多く、また「凌雲橋(りょううんばし)」「五竜橋(ごりゅうばし)」「帯雲橋(たいうんばし)」「算盤橋(そろばんばし)」などとも呼ばれた「錦帯橋」。その美名が文書に初めて登場したのは、江戸時代の儒学者『宇都宮遯庵(うつのみや とんあん)』の記述した文書内が最初と言われています。
岩国3代領主『吉川広嘉(きっかわひろよし)』が現在の橋の原型となる木造橋を架けたのは、延宝元年(1673)の事。6月8日に基礎の鍬入れが始められ、『児玉九郎右衛門』の設計により、石で積み上げられた橋脚を川の堤防に2個、中間に4個の計6個を築き、その上から片持ちの梁をせり出した木造の5連橋が架けられました。広嘉は近くに住居を構えて自ら架橋工事の監督を行い、扇子を開いてアーチ橋の湾曲の形を決定したといいます。同年10月、橋は完成しましたが、翌年の洪水によって石の橋脚が壊れ、木橋も落ちてしまいます。
同年、広嘉は家来に石垣の研究をさせて橋台の敷石を強化し再建。この改良が功を奏し、昭和25年の洪水で流失するまで、実に276年間、定期的に架け替え工事が行われ、威容を保ってきました。
完成した橋は藩が管理し、藩内では掛け替え・補修の費用のために武士・農民など身分階級を問わず「橋出米」という税が徴収されました。ただし当時、橋を渡る事が出来たのは武士や一部の商人だけで、一般の人が渡れるようになるのは明治に入ってからでした。渡れない橋に税を課せられた人々がどのような思いで橋を眺めていたか知る由も有りませんが、いずれにせよ、橋の向こうはお殿様の居住地。渡ろうと考える人はいなかったのかも・・
明治になり、橋を管理していた岩国藩は消滅。明治28年(1895)に地元有志による「錦帯橋保存会」が設立され、掛け替え資金の募集が行なわれるようになりました。
大正11年(1922)3月、史蹟名勝天然紀念物保存法により、錦帯橋は名勝に指定。
昭和25年(1950)9月14日、折からのキジア台風により第四橋の橋脚から崩壊。それによって、錦帯橋はほぼ完全に流失してしまいますが、翌・昭和26年から復旧工事が始まり、昭和28年に再建が完了。
コンクリート製での再建案もありましたが、市民の求めにより、往時をしのばせる木製で再建。
その後、2001年から2004年に26億円をかけて、約50年ぶりに橋体部分の架け替え工事が開始。工事は各年の晩秋から早春の、錦川の水量が減る時期に施工されました。
ところが翌2005年9月6日から翌7日にかけて九州北部・山陰沖を通過した台風14号により、第一橋の橋脚2基が流失。後に約4000万円かけて復旧工事が行われます。
今私たちが何気なく渡るこの橋が辿ってきた多くの物語を振り返った時、そこには「錦帯橋」を愛してやまない岩国の方々の熱い思いを感じずにはいられません。
錦川橋の袂に停留する「観光遊覧船」
鮎の友釣りをされる地元の方・・穏やかで美しい風景を見ていると、本当に心が癒され無意識のうちに笑顔が溢れてきます。
訪問日:2015年11月19日
🌸今回は真面目に錦帯橋を語ってみました。明日は懲りもせず「錦帯橋(きんたいきょう)2017年」です😅
そんな中、木造のアーチ橋というのは世界的に見ても日本特有の建築技法かと思います。
錦帯橋のような多連の木造アーチは稀有の存在ですがいわゆる太鼓橋と言われる一連、二連のアーチ橋は全国に多々見られます。
あらゆる分野で来るもの拒まず、それを取捨選択して日本に適した形に応用してゆくのが日本の特徴。
橋梁でいえば木造アーチ橋がその帰結なんでしょうね。
こんにちは。
錦帯橋
色んな名前がある
橋なんですね。
アップダウンがあって自転車で走ると
面白さうてすね!
様々な土地を旅して、目にする技術の粋
外国から取り入れた技術を、ただ真似るのではなく、自国の風土 環境に照らし合わせて昇華させる。
それによって残された歴史遺産を見るたびに、何とも言えず誇らしいような気持ちになります。
先人が築き上げた歴史遺産
幾年もの時代を経て現代までに繋げていくその矜持
それが何よりも「嬉しい」と思えます。
>錦帯橋」。その美名が文書に初めて登場したのは、江戸時代
そうだったんですか。一度で覚えた橋の名前です(*^^*)
話がそれますが、私の友人たちの殆どが来世も今の夫とと言ってます♡
私は今の(笑)夫では嫌だと言ってるんではありません。
恋愛結婚というものに憧れるんです♡
どうやら前世から政略結婚ばかりさせられてきたのかな~(爆)
それにしても、いいご夫妻ですね~~
あっ!私たちも決して悪い夫婦というのではありませんが(笑)
今日はもうギブアップと言いたくなる猛暑でした
日本各地に残された歴史遺産の橋
どれも捨てがたく美しいのですが
それでも三度も訪問しているところを見ると、相当に惚れ込んだんだと思います。
そんな風に思えることは、本当に幸せな事と思います。
来世のゆり様、とっても素敵な恋をされ、愛する方と永遠の愛を誓うのです。
そして幸せな日々を送っていく中で、ふと気が付くかもしれません
「あら・・私、ずっとずっと昔、この人と出会っていた気がする・・でもずっと昔って何時? まさか前世?! (笑)そんな事あるわけないわよね。変な私」
輪廻の輪は時々、不思議な悪戯をするそうです😊