「ゆふいん文化・記録映画祭」に参加する楽しみ、天井桟敷でのカフェタイム
昨日の九州では50年に一度の大雨によって、少なくない被害が出ている。一昨年の「ゆふいん文化・記録映画祭」に参加して湯布院滞在中に、その大雨の直撃を受け宿泊していた宿に帰れなくなったことがある。そして、私たちが湯布院から帰った、その前日と翌日のJRは不通となった。今でも、運良く帰れたことが不思議でならない。天の神様に感謝している。
そんな思い出深い梅雨の湯布院、今年は三日間とも晴れた。それまでの5月開催から6月末開催へと移行してから、私が参加して雨が全く降らなかったなかったのは珍しいように思う。
さて、今年も「ゆふいん文化・記録映画祭」へ行くことができた。もちろん素晴らしい文化・記録映画を観に行くのだが、もう一つの楽しみに、亀の井別荘・天井桟敷でのコーヒー・タイムがある。
天井桟敷は朝9時に開店し、映画の上映は午前10時。天井桟敷からは、会場の公民館までは早足で歩いても20分くらいはかかる。そんなタイトな時間の中でも、鍵屋の名物おはぎも購入して、コーヒーを飲みながらまったりする。至福の時だ。
我が友人は、このひとときを楽しむことで、一年間を乗りきることができると言っている。にしても、2階にある天井桟敷の窓から見える木々が、ずいぶんと大きくなった。参加し続けてきた年月を感じる。
纐纈あや監督作品『ある精肉店のはなし』、人間のいる素晴らしい映画だった
今年の「ゆふいん文化・記録映画祭」で上映される映画の中で、プログラムを見て私が最も注目したのは、纐纈(はなぶさ)あや監督作品『ある精肉店のはなし』。映画を観た後の感想も同じ、ピカ一だった。そしてまた、纐纈監督のスピーチも抜群だった。纐纈監督の映画の上映には、監督の講演とセットが抜群だ。
映画は、「大阪府で精肉店を営んでいる一家が、牛を飼育して、屠畜場で手作業で解体し、販売する姿を映し出した作品。牛のいのちと全身全霊で向き合う一家の暮らしも含め記録映画は、会場に大きな感動を呼んだ。
この映画のプロデューサーである本橋成一さんの写真集『屠場』(平凡社刊)を読んだばかりであり、その面からも興味を持っていた。纐纈監督自身が語られていたが、まさに「肉の生産・直売」する姿とともに、「暮らし」をていねいに描くことで、まさに「人間がいる」とても心温まる映画ともなっている。
さて、初監督作として原発問題を描いた『祝(ほうり)の島』に続いての、第二作『ある精肉店のはなし』を完成させた纐纈あや監督は、まだ39歳。今後ますますの活躍が期待できるし、私自身も心から期待している。次回作を早く観たいという思いだ。。
当然のことながら、纐纈監督に記念写真とパンフレットへのサインをお願いした。ミーハーであり、そこは頑張った。
「映画祭」に行く楽しみに、中谷健太郎さんなどとの語らいの時間がある
「ゆふいん文化・記録映画祭」に行く楽しみについて、まずは素晴らしい文化・記録映画が観られること(監督さんなどのトークも含めて)、そして天井桟敷でのティタイムがあり、それに加えてこの「映画祭」を立ち上げてご尽力もされた亀の井別荘・中谷健太郎さんなどとお話しできることがあげられる。
このところ中谷健太郎さんとの語らいは、健太郎さんが朝食となるサンドウィッチとヨーグルトを楽しみながらという場合が多い。今年もそんな幸せな時間が訪れた。
今年は、今年の映画祭で上映された映画について、少しだけ語り合ったというか、お話しを聞かせていただいた。私にとっては、まさに至福の時だ。
中谷健太郎さん以外にも、少なくない方々とお話しする機会をいただいている。事務局を担当している小林由布市議とも、毎年記念写真をお願いしている。そうそう、会場で100円コーヒーを提供していただいている「木馬」のマスターとお目にかかれるのも楽しみの一つだ。
ただ、今年はお話しをと言いながら、お互いにバタバタとしてゆっくりお話しできなかった方もいて、少しだけ心残りもないではない。でも、それはまた来年の楽しみに取っておこう。
恒例の湯布院行き、いつまで行けるだろうかとふと思ったりもする
今年の湯布院行き、往きは「ゆふいんの森」、帰りは「ゆふ」だった。由布院の駅のホームには、人気の豪華列車「ななつ星」の名前も見えた。私のような者でも乗れる値段にして欲しいもの。
ともあれ、朝天井桟敷でコーヒーとおはぎを二個を楽しみ。それをエネルギーに、朝10時から夜遅くまで「映画漬け」の時間を送る。年一回その参加を恒例として楽しみにしている「ゆふいん文化・記録映画祭」。いつまで行けるだろうかと、ふと思ったりもする。
心惹かれながら、湯布院を後にした。そして、夜は早くも現実に引き戻されて、会議に参加した。生きるということは、そういうことなのだろう。